IG証券のバイナリーオプションには、取引期間が「当日」のものと「2時間」のものがあります。同社は「当日の取引は1日5回、2時間は1日12回の取引期間が設けられており、24時間取引が可能です」と書いています(2026年10月23日確認)。1本の時間割に回号を順番に並べる他社とは、画面に出ている銘柄の数え方から違います。
名前から読み違えやすいのは「当日」のほうです。この型の取引期間は数時間ではありません。公表されている時刻表では、2:00に取引開始した銘柄の取引終了は翌日1:00で、1本あたり23時間あります。開始時刻をずらした5本が重なって走るため、週の半ばであれば、どの時刻に画面を開いても当日型の銘柄が5本と2時間型の銘柄が、並んで取引できる状態になっています。
この記事では、IG証券が公表している2つの時刻表をそのまま並べたうえで、注文を出せるのは何時までか、夏時間と週初・週末で何がずれるか、取引終了までの残り時間が価格の動き方にどう効くかを確認します。狙い目の時間帯は扱いません。金融庁は「一定時間後のレートをピンポイントで高い確度で予測することは非常に困難です。」と注意喚起しています(2026年10月23日確認)。時間割から分かるのは、いつ注文できていつ判定されるか、そこまでです。
時刻表は2つあり、FX以外は別の場所に書かれている
時刻表が公表されている理由は、取引概要の冒頭に書かれています。「当社が加入する業界自主規制団体の諸規則等の定めるところにより、以下の通り取引の概要を掲示します。」という一文です(2026年10月23日確認)。商品の名称は「バイナリー ラダーオプション」、権利行使の方法はヨーロピアンタイプと記載されています。扱いはラダーオプションで、権利行使価格を基準に上か下かを選ぶ形です。ヨーロピアンタイプなので、権利行使は取引終了時点で自動的に行われます。自分で行使の操作をする時刻はありません。
取引概要のページは、取引期間(時間)の節を原資産で2つに分けています。FXを原資産とするものには「ラダーオプション(当日)」と「ラダーオプション(2時間)」の時刻表が載り、株価指数と商品(コモディティ)については「各銘柄の『銘柄詳細情報』のページでご確認いただけます」と書かれています(2026年10月23日確認)。
この記事で扱えるのは、前者の時刻表です。対象はFXの7通貨ペア(米ドル/円、ポンド/円、ユーロ/円、ユーロ/米ドル、豪ドル/円、ポンド/米ドル、豪ドル/米ドル)で、株価指数と商品の取引時間はこの表には含まれていません。
当日型は1日5回。ただし1本の取引期間は23時間ある
| 取引開始 | 注文受付終了 | 取引終了(判定時刻) | 取引期間の長さ |
|---|---|---|---|
| 2:00(1:00) | 翌日 0:58(23:58) | 翌日 1:00(0:00) | 23時間 |
| 10:00(9:00) | 翌日 8:58(7:58) | 翌日 9:00(8:00) | 23時間 |
| 14:00(13:00) | 翌日 12:58(11:58) | 翌日 13:00(12:00) | 23時間 |
| 18:00(17:00) | 翌日 16:58(15:58) | 翌日 17:00(16:00) | 23時間 |
| 22:00(21:00) | 翌日 20:58(19:58) | 翌日 21:00(20:00) | 23時間 |
取引開始は2:00、10:00、14:00、18:00、22:00の5つです。2:00の次が10:00で8時間空き、そのあとは4時間おきという並びです。取引終了はそれぞれ翌日の1:00、9:00、13:00、17:00、21:00で、差を取るとどの銘柄も23時間になります。「当日」という名前が示しているのは1営業日のうちに設定される銘柄だということで、取引期間が当日中に収まるという意味ではありません。
図にすると、遅く始まった銘柄ほど長く残っていることが見えます。22:00に始まった銘柄は翌日21:00まで続くので、朝も昼も夕方も同じ銘柄が一覧に並びます。判定時刻まで数分の銘柄と、20時間近く残っている銘柄が、同じ画面に同居するということです。当日型を選ぶときは、残り時間がどれだけあるかを銘柄ごとに見る必要があります。
注文受付終了は、どの行も取引終了の2分前です。2:00開始の銘柄なら翌日0:58、22:00開始の銘柄なら翌日20:58で注文が締め切られます。購入の締切の考え方そのものは他社と同じですが、締切の時刻が「開始の翌日」になる点が当日型の特徴です。
2時間型は12回。1:00から翌1:00までを隙間なく埋める
| 取引開始 | 注文受付終了 | 取引終了(判定時刻) |
|---|---|---|
| 1:00(0:00) | 2:58(1:58) | 3:00(2:00) |
| 3:00(2:00) | 4:58(3:58) | 5:00(4:00) |
| 5:00(4:00) | 6:58(5:58) | 7:00(6:00) |
| 7:00(6:00) | 8:58(7:58) | 9:00(8:00) |
| 9:00(8:00) | 10:58(9:58) | 11:00(10:00) |
| 11:00(10:00) | 12:58(11:58) | 13:00(12:00) |
| 13:00(12:00) | 14:58(13:58) | 15:00(14:00) |
| 15:00(14:00) | 16:58(15:58) | 17:00(16:00) |
| 17:00(16:00) | 18:58(17:58) | 19:00(18:00) |
| 19:00(18:00) | 20:58(19:58) | 21:00(20:00) |
| 21:00(20:00) | 22:58(21:58) | 23:00(22:00) |
| 23:00(22:00) | 翌日 0:58(23:58) | 翌日 1:00(24:00) |
2時間型は1:00開始から2時間おきに12本で、2時間かける12回で24時間になります。表2を縦に読むと、ある銘柄の取引終了時刻が次の銘柄の取引開始時刻になっていて、1:00から翌日1:00までが隙間なく埋まっていることが分かります。同社が「24時間取引が可能です」と書いているのは、この並びのことです。
他社の回号と違い、IG証券の時刻表には第1回・第2回といった番号が付いていません。銘柄名の設定方法は「原資産名+取引終了時刻+権利行使価格+『以上に上昇』」と記載されています(2026年10月23日確認)。選ぶときに手がかりになるのは番号ではなく取引終了時刻です。人に伝えるときも「第5回」ではなく「11:00に判定する米ドル/円」という指し方になります。
判定時刻は1営業日に12種類。自主規制の上限と同じ数
満期が2種類あっても、判定時刻の種類は増えません。当日型の取引終了時刻(1:00・9:00・13:00・17:00・21:00)は、すべて2時間型の取引終了時刻に含まれています。1営業日に現れる判定時刻は、1:00から2時間おきの12種類です。
この12という数は、自主規制のルールと一致します。金融先物取引業協会の「取扱ルールの概要」は「1営業日に設定できる判定時刻の最大数は12回となります。」と定め、あわせて「お客様との取引開始から判定時刻までの期間(時間)は、当面の間、2時間以上とします。」としています(2026年10月23日確認)。IG証券の2時間型はこの下限ちょうどの長さで、当日型は同じ判定時刻に向けて23時間の取引期間を取った形です。判定時刻を増やす方向ではなく、1つの判定時刻に向かって取引できる長さを変える方向で、2種類が用意されていると読めます。
注意したいのは、判定時刻が12種類あることと、取引を12回するかどうかは別だという点です。同じ判定時刻に当日型と2時間型の両方が終わる時間帯があり、権利行使価格も1つの銘柄に複数設定されます。取引概要には「バイナリーオプション取引では最大損失額を維持証拠金として管理しますが、取引金額が少額であっても、多数回の取引を繰り返し行うことによって、多額の損失を被る恐れがあります。」と書かれています(2026年10月23日確認)。金融庁の注意喚起も「短期間に繰り返し取引した結果、多額の損失を被るおそれがあります。」です。いつでも入れる作りは、回数を抑えにくい作りでもあります。時間帯を選ぶより先に、損失の限度を先に決めるルールを決めておく順序になります。
1銘柄の中で、時刻が意味を持つのは5か所
取引開始の時刻には、値動きが始まること以外の意味もあります。権利行使価格の設定方法が「取引開始直前の原資産価格を基準に上下に一定の価格幅をもって複数の権利行使価格を設定します。」と書かれていて、しかも「当社は権利行使価格の追加を行いません。」とされているためです(2026年10月23日確認)。その銘柄で選べる権利行使価格の並びは、取引開始の時点で決まり、あとから足されません。開始から時間が経って原資産が大きく動いた銘柄では、価格の並びが今の水準から離れたままになります。
注文を出せるのは注文受付終了までです。取引概要は「お客さまは取引開始から注文終了までの期間中であれば新規の買付取引(買付ポジションの保有)、新規の売付取引(売付ポジションの保有)、および当該保有ポジションの途中決済が可能です。」としています。途中売却もこの期間の中です。協会のルールも「取引が成立し、お客様が保有するポジションについて、判定時刻の直前まで、ポジションの解消に応じます。」と定めています(2026年10月23日確認)。
ただし、注文の種類には制限があります。「バイナリーオプション取引では、リミット注文、ストップ注文はできません。」という記載です。「この値段になったら決済」という予約を置けないため、途中で手放す判断は、自分が画面を見ている時間の中でしかできません。23時間の当日型を持つ場合、その時間のすべてを見ていられるわけではないことを前提に、取引期間を選ぶことになります。
判定のあとにも時刻があります。損益額の反映は、ラダーオプションではペイアウトの有無にかかわらず「取引期間終了後20分以内」と書かれています。自分で途中決済した場合とロスカットで決済された場合は即時です。取引終了の時刻に口座残高が動かなくても、まだこの20分の中ということがあります。
夏時間はカッコの中。どちらで動いているかを先に確かめる
2つの時刻表には、どの時刻にもカッコが付いています。注記は「※カッコ内は夏時間の場合」です(2026年10月23日確認)。たとえば当日型の最初の銘柄は、標準時間なら2:00開始・翌日1:00終了、夏時間なら1:00開始・翌日0:00終了になります。時間割の全体が1時間繰り上がる形で、回数や取引期間の長さは変わりません。
この繰り上がりは、国内の他社でも同じ形で起きています。楽天証券のらくオプは取引時間を「月〜金曜日 9:20〜翌5:20(米国サマータイム期間は1時間繰り上がり)」と公表しています(当サイトのデータ層に2026年8月18日確認で記録)。夏と冬で自分の生活時間は変わらないので、取引できる時間帯に重なる銘柄は、季節によって入れ替わります。寝る前の最後の銘柄を決めているような使い方をしている場合は、切り替わりの時期に時刻表をもう一度見てください。
月曜と金曜は、銘柄の設定そのものが変わる
| 満期の種類 | 月曜日などの休日後最初の営業日 | 金曜日などの休日前営業日 |
|---|---|---|
| ラダーオプション(当日) | 当日13時(12時)、17時(16時)、21時(20時)、および翌日午前1時(午前0時)に取引終了となる銘柄が、当日午前8時(午前7時)に取引開始となる | 翌日午前1時(午前0時)に取引終了となる銘柄が、その週の最後の設定銘柄となる |
| ラダーオプション(2時間) | 午前9時(午前8時)取引開始の銘柄から提供を開始する | 翌日午前3時(午前2時)取引開始の銘柄が、その週の最後の設定銘柄となる |
週明けは、表1と表2がそのまま当てはまりません。当日型では、当日13時・17時・21時・翌日午前1時に取引終了となる4本が、まとめて午前8時に取引開始となります。通常なら前日の午後から夜に始まっている銘柄が、休みのあいだは設定されないためです。この4本の取引期間は、公表された時刻から計算すると5時間・9時間・13時間・17時間で、いずれも23時間より短くなります。2時間型も午前9時開始の銘柄からの提供で、それより前の4本はありません。
金曜日などの休日前営業日は、逆に終わりが決まっています。当日型は翌日午前1時に取引終了となる銘柄が最後、2時間型は翌日午前3時に取引開始となる銘柄が最後です。土日をまたいで判定を迎える銘柄は設定されません。週末の扱いはどの業者にもある論点ですが、終わりの時刻は各社で違います。他社との違いは週末の取引時間の比較に分けて整理しています。
取引終了までの残り時間は、価格の構成要素でもある
時間割は「いつ取引できるか」だけの話ではありません。取引価格の決定方法として、カバー先がブラック・ショールズモデルをもとに「原資産、当該原資産のボラティリティ、取引終了時間までの時間等を勘案し決定されます。」と書かれています(2026年10月23日確認)。残り時間は、価格そのものに入っている変数です。
そのため、同じ銘柄でも残り時間によって値動きの性質が変わります。取引概要は留意事項として2つの方向を挙げています。1つは「一般にオプションの残存期間が短くなると、権利行使価格等と原資産価格が接近した銘柄(アットザマネー近辺の銘柄)において、取引価格のボラティリティが大きくなります。このような場合には各銘柄のスプレッドが広がったり、約定時にスリッページが発生することがあります。」というもの。もう1つは、原資産価格が権利行使価格から大きく離れた銘柄では「取引価格のボラティリティが大きく低下しているため、原資産価格の変動に対して取引価格の変動が著しく小さいか若しくは変動が生じない場合があります。」というものです。
言い換えると、判定が近くて勝敗の分からない銘柄は値段が動きやすく、判定が近くて結果がほぼ決まっている銘柄は値段が動きにくい、ということです。途中で手放すつもりがあるなら、この性質は取引期間の選び方に効いてきます。残り時間が長い銘柄を選ぶか短い銘柄を選ぶかは、当たりやすさの話ではなく、自分が決済したい時点でどれだけ価格が動く余地があるかの話です。
時間割そのものが動く場合もあります。取引停止事由として「天変地異、戦争、テロ、マーケットの状況等により、お客さまへの当社からの価格の提示が困難であると当社が判断した場合やシステム障害等が発生した場合には、取引開始の遅延や取引終了時間の短縮、または取引停止することがあります。」と書かれています(2026年10月23日確認)。表1と表2は平常時の時刻です。
株価指数と商品の時間は、この表には載っていない
IG証券のバイナリーオプションは、原資産がFXだけではありません。同社の商品説明ページには、株価指数として日本225、ウォール街、FTSE100(英)、ドイツ40、フランス40、スペイン35、オーストラリア200、シンガポール優良株先物、香港HS株価指数、中国A50株価指数先物、商品としてWTI原油、金、銀が並んでいます(2026年10月23日確認)。同ページには「最新の取り扱い銘柄情報は、取引システム上でご確認ください。」という注記も付いています。
これらの取引時間は、本記事の時刻表とは別です。取引概要は株価指数と商品について「各銘柄の『銘柄詳細情報』のページでご確認いただけます。」としており、判定に使う価格の出どころも分かれています。FXは「IG証券の提示価格(中値)を参照します」、株価指数と商品は「ブルームバーグ社が発表する各原資産の価格情報を参照します」で、後者には「バイナリーオプションの取引終了時刻が、原資産の取引時間終了前に到来する一部の銘柄は、当社取引システムにおける各原資産の価格情報を参照します。」という例外も付いています。
株価指数と商品の取引開始・注文受付終了・取引終了の時刻は、今回参照した公式ページでは確認できませんでした。原資産の市場が開いている時間に左右されるため、FXの時刻表を当てはめることはできません。推測で埋めずに、取引システムの銘柄詳細情報で確かめてください。
時間割を見比べるときに見る場所
当サイトが6社ぶん記録している取引条件のうち、満期の種類が2つある業者はIG証券だけです(項目:1回号の長さ、記載を確認できた6社のうち1社)。たとえばGMOクリック証券の外為オプションは1回号3時間を2時間おきに10回という1本立ての並びで(2026年8月18日確認)、他社も1回号2〜3時間の時間割を1つ持つ形です。IG証券を他社と並べるときは、どちらの満期を比べているのかを先に決める必要があります。2時間型なら他社の回号と同じ長さで、当日型には比べる相手が国内にありません。
取引時間と回号の記録は取扱業者の比較とIG証券の業者ページに、出典と確認日つきで置いています。時間以外の点、つまり価格が0から100のポイントで出ることや新規の売付ができることはIG証券のバイナリーオプションは証拠金取引にまとめました。単位と注文の向きを先に押さえておかないと、時刻表だけ合わせても注文の中身を読み違えます。
最後に、金融庁は取引を始める前に、相手が金融商品取引法の登録を受けた業者かどうかを確認するよう求めています。「日本で登録を受けずに日本に居住する者に対して金融商品取引を業として行うことは禁止されています。」という説明で、登録を受けている業者の一覧も公表されています(2026年10月23日確認)。「24時間取引できる」「深夜でも取引できる」という説明は、無登録業者の勧誘でも使われます。時間の使いやすさで業者を選ぶ前に、登録番号を自分で照会してください。
この記事の出典
金額・時刻・取引ルールは、下の一次情報で確認できた表記だけを載せています。 確認日以降に変更されている場合があるため、取引の前に各社の公式ページで確かめてください。
- IG証券「バイナリーオプション取引概要」 取扱業者の公式ページ / 確認日 2026年10月23日
- IG証券「バイナリーオプションとその仕組み」 取扱業者の公式ページ / 確認日 2026年10月23日
- IG証券「バイナリーオプション」 取扱業者の公式ページ / 確認日 2026年10月23日
- 一般社団法人金融先物取引業協会「取扱ルールの概要」 自主規制団体 / 確認日 2026年10月23日
- 金融庁「バイナリーオプション取引にあたってご注意ください!」 金融庁 / 確認日 2026年10月23日
- 楽天証券「らくオプ(バイナリーオプション)取引ルール概要」 取扱業者の公式ページ / 確認日 2026年8月18日
- GMOクリック証券「外為オプション 取引ルール」 取扱業者の公式ページ / 確認日 2026年8月18日