無登録業者

バイナリーオプションの無登録業者一覧の読み方|金融庁の警告リスト

勧められた業者名やサービス名が金融庁の警告リストにあるかは、自分で調べられます。公表されている4つのファイル、1行を構成する5つの列、実際に掲載されているバイナリーオプション3件の転記、載っていない場合に何が言えるのかを整理します。

勧誘で先に伝えられるのは、会社名ではなくサービス名です。「このアプリで取引している」「このサイトに口座を作った」という形で話が進むため、調べようとした時点で手元にあるのはサイト名かアプリ名だけ、という状態になりがちです。金融庁が公表している無登録業者の一覧は商号で並んでいますが、サービス名は「備考」の列に書かれています。つまり、会社名を知らなくても引ける作りになっています。この記事は、その一覧を開いて自分の相手を探すための読み方をまとめたものです。

先に、この資料の性質を正確に押さえます。これは登録業者の名簿の裏返しではなく、警告書を出した記録です。金融庁は、平成22年1月以降、無登録で金融商品取引業を行っているとして金融庁(財務局)が警告書の発出を行った者を掲載していると説明し、あわせて「掲載されている無登録業者は、警告書の発出を行った時点で無登録営業を行っていることが確認できた者に限られています。そのため、掲載されていない者でも、無登録営業に該当する行為を行っていることがあり得ますのでご注意ください」と注記しています(2026年10月5日確認)。この一文があるため、「載っていなかった」という結果からは何も確認できません。

この記事で確認できるのは3つです。1つめは、この一覧として実際に公表されているファイルの構成。2つめは、1行を構成する5つの列と、そこから読み取れること・読み取れないこと。3つめは、掲載されているバイナリーオプションの実例と、そこに現れる商号とサービス名の食い違いです。

役割を分けておきます。登録を確かめる手順の全体は業者の登録を確認する手順、法律上どの行為が禁止されているのかはバイナリーオプションは違法か、登録の有無で制度として何が変わるのかは国内業者と海外業者の違い、勧誘の手口と相談窓口はバイナリーオプション詐欺の手口と相談窓口にあります。この記事は、その中で使う1つの資料の中身だけを扱います。

「無登録業者の一覧」として公表されているのは4つのファイル

金融庁の「無登録で金融商品取引業を行う者の名称等について」のページには、PDFとエクセルが3組、それに全件を1ページへ並べたHTML版が置かれています。2026年10月5日に開いた時点では、令和8年9月25日に更新されたものが掲載されていました。

公表されているもの(金融庁の表記) 形式 何が載っているか
警告書の発出を行った無登録業者 PDF・エクセル 警告書を出した無登録業者
警告書の発出を行った無登録の海外所在業者 PDF・エクセル 海外に所在する無登録業者
警告書の発出を行った適格機関投資家等特例業務届出者 PDF・エクセル 特例業務の届出者のうち警告書を出した者
無登録で金融商品取引業を行う者の名称等について(HTML版) HTML 上の区分をまとめた一覧。所在の別を示す列が付く

国内の業者と海外所在の業者は、別のファイルに分かれています。どちらを勧められたのか分からない段階なら、HTML版を1つ開けば足ります。所在の別を示す列が付いていて、ブラウザの検索でそのまま引けるためです。

3つめのファイルは、適格機関投資家等特例業務の届出者を対象にした別の区分です。見るファイルを間違えると、載っているのに「見つからなかった」という結果になります。最初に開くファイルを決めてから検索を始めてください。

1行は5つの列でできている

金融庁の無登録業者一覧(HTML版)の1行を5つの列に分けて示した図。列は左から商号、名称又は氏名等/金融商品取引業の内容等/備考/掲載時期/国内・海外所在の別。実際の掲載内容として、商号の列にBET GLOBAL MARKET INC.、内容等の列にインターネットを通じて、店頭デリバティブ取引の勧誘を行っていたもの、備考の列に当該業者が提供するサービス(バイナリーオプション取引)の名称は「BI-WINNING」である。、掲載時期の列に令和4年11月、所在の別の列に海外が入っている。下には3つの注釈が付き、商号だけでは引けないこと(相手が名乗った名前と一致しないことがあり、名称及び所在地等は現時点のものでない場合がある)、サービス名は備考の列にだけ出てくること(BI-WINNINGのようなサイトやアプリの名前は商号の列ではなく備考に書かれ、勧誘でまず伝えられるのはこちらであること)、掲載時期は警告書を出した時期であること(現在の無登録営業の状況を示すものではなく、国内・海外は所在の別で登録の有無を示す列ではないこと)が書かれている
図1:読者が知っているサービス名は、商号の列ではなく備考の列にあります表の1行と注記の文は金融庁「無登録で金融商品取引業を行う者の名称等について(HTML版)」および同庁の同ページの記載の転記です(2026年10月5日確認)。列の読み方の整理は当サイトによるものです

HTML版の列は「商号、名称又は氏名等」「金融商品取引業の内容等」「備考」「掲載時期」「国内/海外所在の別」の5つです。このうち、取引しようとしている相手を探すときに効くのは1列目と3列目で、判断を誤りやすいのが2列目と4列目です。

2列目の「金融商品取引業の内容等」には、何をしていたのかが行為の形で書かれます。図1の例では「インターネットを通じて、店頭デリバティブ取引の勧誘を行っていたもの」です。ここで注意したいのは、この列に「バイナリーオプション」という言葉が出てこない場合があることです。金融庁は「バイナリーオプションは、金融商品取引法上の店頭デリバティブ取引に該当します」としており(2026年10月5日確認)、法律上の分類で書かれると店頭デリバティブ取引になります。商品名で検索して見つからなくても、それは掲載がないことを意味しません。

4列目の「掲載時期」は、警告書を出した時期です。金融庁は、掲載されている無登録業者について「必ずしも、現在の無登録営業の状況を示すものではありません。また、その名称及び所在地等についても、現時点のものでない場合があります」と注記しています(同日確認)。古い掲載を「もう終わった話」と読まないでください。同じ注記は逆向きにも効きます。名称が変わっていれば、現在の名前では引けません。

5列目の「国内/海外所在の別」は所在地の区分で、登録の有無を示す列ではありません。国内所在として掲載されている行もあります。日本語のページがあることや、国内に住所があることは、登録があることの根拠になりません。この点の制度上の意味は国内業者と海外業者の違いに整理しました。

掲載されているバイナリーオプションの実例

当サイトがHTML版で確認できた、備考にバイナリーオプションのサービス名が書かれている行を3件転記します。要約も言い換えもしていません。

商号、名称又は氏名等 金融商品取引業の内容等 備考 掲載時期 所在の別
BILLION ROAD LTD. インターネットを通じて、店頭デリバティブ取引の勧誘を行っていたもの 当該業者が提供するサービスの名称は「THE BINARY(ザ・バイナリー)」、「J.E.T OPTION(令和元年8月30日追記)」である。 平成31年2月 国内
Act Plus Holdings Ltd. インターネットを通じて、店頭デリバティブ取引の勧誘を行っていたもの 当該業者が提供するサービス(バイナリーオプション取引)の名称は「J.E.T OPTION」である。 令和2年9月 国内
BET GLOBAL MARKET INC. インターネットを通じて、店頭デリバティブ取引の勧誘を行っていたもの 当該業者が提供するサービス(バイナリーオプション取引)の名称は「BI-WINNING」である。 令和4年11月 海外

3件から読み取れることを順に書きます。1つめは、商号とサービス名が別物であることです。「BI-WINNING」という名前からBET GLOBAL MARKET INC.という商号は出てきません。勧誘された側が覚えているのは前者で、一覧が並んでいるのは後者です。だから商号の列だけを見て「無い」と判断すると取りこぼします。

2つめは、同じサービス名が別の商号の行に現れることです。「J.E.T OPTION」は、BILLION ROAD LTD.の備考(令和元年8月30日の追記として)と、Act Plus Holdings Ltd.の行の両方に出てきます。サービス名と会社が1対1で対応しているとは限らない、という形です。サービス名で引いたときは、同じ名前の行が複数ないかまで見てください。

3つめは、所在の別が「国内」の行もあることです。上の3件のうち2件は国内所在として掲載されています。海外の業者を警戒していても、国内所在の相手が対象外になるわけではありません。

念のため範囲を書いておきます。これは当サイトが確認できた3件で、掲載件数の全体ではありません。全件を数えた結果は、この記事では示していません(末尾の「確認できなかったこと」に理由を書いています)。

「載っている」と「載っていない」で、言えることが違う

警告リストに名称があるかを縦軸、金融庁の登録一覧で商号と登録番号が一致したかを横軸にした2×2のマトリクス図。左上は警告あり・登録は確認できずで、金融庁が警告書を出した相手であり入金も口座開設もしない、商号ではなくサービス名で引けた場合もここに入ると書かれている。右上は警告あり・商号と番号は一致で、同名や類似名の別会社の可能性と登録番号を詐称している可能性がどちらも残るため、所在地と連絡先を自分でたどった公式ページ側から確かめると書かれている。左下は警告なし・登録は確認できずで、まだ何も確認できていない状態であり、金融庁は掲載されていない者でも無登録営業に該当する行為を行っていることがあり得るとしているため「載っていない」は証明にならないと書かれている。右下は警告なし・商号と番号が一致で、登録を確認できた組み合わせであり判断の根拠になるのはこの一覧で警告リストは補助に使う、ただし損失が出ないという意味ではないと書かれている
図2:2つの一覧は別の軸です。右下に入らないかぎり確認は終わりません各象限の根拠は金融庁「無登録で金融商品取引業を行う者の名称等について」の注記と、同庁「免許・許可・登録等を受けている事業者一覧」の記載です(2026年10月5日確認)。4つの組み合わせへの整理は当サイトによるものです

警告リストと登録一覧は、同じ問いの表と裏ではありません。別々の軸なので、組み合わせは4通りになります。実際に判断が変わるのは、縦軸よりも横軸のほうです。

登録のほうを確かめる先は「免許・許可・登録等を受けている事業者一覧」です。2026年10月5日に開いた時点で、金融商品取引業者の一覧は令和8年8月31日現在のものでした。同ページは、該当のPDFまたはエクセルを開いて検索機能を使うよう案内しており、アルファベットの業者については全角と半角の両方で検索するようにと書かれています。上の表の3件はいずれも英字表記の商号なので、この全角・半角の注意は実際に効きます。

右上の象限、つまり警告リストに似た名称があり、登録一覧でも商号と番号が引けてしまう場合は、判断を急がないでください。同名・類似名の別会社である可能性と、登録番号を詐称している相手である可能性が、どちらも残っています。照合のしかたは業者の登録を確認する手順に分けて書きました。

右下に入ったときも、確認できたのは相手の登録までです。登録の確認は、損失が出るかどうかとは関係がありません。1回あたりの損失額に上限があることと資金が減らないことが別である点は損失が限定されるという意味と投資リスクについてにまとめています。

警告のあとに何があるか

無登録業者の警告が公表されるまでと、その後の経路を4段階の縦のタイムラインで示した図。1は金融庁(財務局)が警告書を発出する段で、無登録で金融商品取引業を行っているとして警告書を出した者が対象であり平成22年1月以降の分が掲載されていると書かれている。2は名称等をウェブサイトで公表する段で、無登録業者・無登録の海外所在業者・適格機関投資家等特例業務届出者の3つに分かれ、PDFとエクセル、それに全件を載せたHTML版が置かれ令和8年9月25日に更新されていると書かれている。3は掲載されたあとの状況までは分からない段で、現在の無登録営業の状況を示すものではなく名称及び所在地等についても現時点のものでない場合があると同庁が注記していると書かれている。4は別の経路として裁判所への申立てがある段で、証券取引等監視委員会が金商法第192条第1項に基づき裁判所へ禁止及び停止命令の発出を申し立てる経路であり、申立ての一覧は同委員会が公表していると書かれている
図3:掲載は「警告書を出した記録」です。いまの営業状況の記録ではありません1から3は金融庁「無登録で金融商品取引業を行う者の名称等について」の記載、4は証券取引等監視委員会「裁判所への申立て」と同委員会が令和5年6月28日に公表した申立ての記載によります(2026年10月5日確認)

警告書の発出と公表のほかに、もう1つの経路があります。証券取引等監視委員会が、金融商品取引法第192条第1項に基づいて、裁判所へ禁止及び停止命令の発出を申し立てるものです。同委員会は申立ての一覧を公表しており、たとえば令和5年6月28日の公表では、無登録で外国社債及び社債の募集又は私募の取扱いを業として行うことなどについて、金商法違反行為の禁止及び停止を命ずるよう申立てを行ったとしています(2026年10月5日確認)。

この例は社債の募集の取扱いで、バイナリーオプションの事案ではありません。経路の形を示すために引いたものです。警告書の公表だけで終わるのか、申立てまで進むのかは、相手ごとに違います。読者の側でできるのは、警告の一覧と登録の一覧を見て入金の前に止めることで、そこから先は当局の手続きの領域になります。

もう1つ押さえておきたいのは、公表が更新される時点と、自分が見た時点のずれです。一覧には更新日が付きます。先月調べたから大丈夫だとは言えません。相手を勧められた時点ではなく、入金する直前に見るのが順序として正しくなります。

登録を受けた相手は、サービス名と会社が結びついている

みんなのオプションを案内する公式ページのファーストビュー
サービス名から運営会社と登録番号までたどれる状態の例(ロゴ・商標の権利は運営会社に帰属)。みんなのオプションはトレイダーズ証券株式会社のサービスで、サービス概要に「金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第123号」と表記されています。出典 みんなのオプション/キャプチャ取得日 2026年8月21日、記載の確認日 2026年8月18日

図1の行と見比べてほしいのは、情報のつながり方です。警告リストに掲載されている行では、サービス名が備考に書かれ、商号は英字の社名、所在の別だけが分かります。一方、登録を受けた業者のページでは、サービス名から運営会社と登録番号までが同じサイト内でつながっています。たどれるかどうかが、最初の分かれ目になります。

国内で取引概要を確認できた6社の条件は国内6社の比較に並べています。当サイトは無登録業者・海外業者への口座開設を案内しません。

この一覧で何が決まり、何が決まらないのかを整理すると次のようになります。

確かめたいこと 警告リストで分かるか 根拠にしているもの
その相手が警告書を出された者か 掲載されていれば分かる 掲載は警告書の発出を行った者が対象
掲載されていない相手に登録があるか 分からない 掲載されていない者でも無登録営業に該当する行為を行っていることがあり得る
その相手がいま営業しているか 分からない 必ずしも現在の無登録営業の状況を示すものではない
勧誘で聞いたサービス名の運営者か 備考に名称があれば手がかりになる 備考にサービス名が記載されている行がある

4行のうち、「分かる」と書けるのは1行だけです。残りは、この資料の外で確かめることになります。確認できなかった項目を推測で埋めない方針は情報源についてに書いています。

相手が一覧に見つからないとき

見つからなかったという結果は、3通りに分かれます。1つめは、商号だけで検索していた場合です。前述のとおり、サービス名は備考の列にあります。アプリ名、サイト名、グループ名も含めて引き直してください。2つめは、名称が変わっている場合です。金融庁は名称及び所在地等が現時点のものでない場合があると注記しています。3つめは、まだ警告書が出ていない場合です。この3つを区別しないまま「載っていないから大丈夫」と読むのが、いちばん危ない読み方になります。

どの場合でも、次にすることは同じです。登録一覧のほうで商号と登録番号を照合します。それでも確認できないなら、その相手には入金しません。金融庁は「取引を始める前に、取引の相手が金融商品取引法の登録を受けている業者であることを必ず確認してください」としており、無登録業者と取引した場合は「トラブルが生じても無登録業者への追及は極めて困難です」とも書いています(2026年10月5日確認)。確認できなかったことと、確認して問題がなかったことは別の結果です。

よくある質問

一覧に載っている業者と取引してしまいました

まず追加の振込に応じないでください。そのうえで記録を残します。やり取りの画面、振込の控え、相手が名乗った商号とサービス名、一覧で見つかった行の掲載時期を保存します。金融庁は無登録業者との取引について、金融サービス利用者相談室の「詐欺的な投資に関する相談ダイヤル」を0570-050588(IP電話は03-6206-6066)、受付を平日10時00分から17時00分、ウェブサイトは24時間受付と案内し、法令違反の疑いがある行為については証券取引等監視委員会の情報提供窓口(0570-00-3581、IP電話は03-3581-9909)を示しています(2026年10月5日確認)。支払ってしまったあとの窓口の違いはバイナリーオプション詐欺の手口と相談窓口にまとめました。

警告を受けた業者は、もう営業していないのですか

分かりません。金融庁は、掲載されている無登録業者について必ずしも現在の無登録営業の状況を示すものではないと注記しています。掲載時期が数年前であっても、営業が止まった証拠にはなりません。逆に、いま営業していることの証拠にもなりません。この一覧から読み取れるのは、その時点で無登録営業が確認できたという事実だけです。

海外所在業者のファイルに無ければ、国内の会社ということですか

いいえ。ファイルの区分は所在地によるもので、載っていない相手の所在地を示すものではありません。前述の3件のうち2件は国内所在として掲載されています。所在地と登録の有無も別の話で、金融庁は「たとえ海外で金融商品取引のライセンスを持つ業者であっても、日本で登録を受けずに日本に居住する者に対して金融商品取引を業として行うことは禁止されています」としています(2026年10月5日確認)。制度の違いは国内業者と海外業者の違いに分けて書きました。

この記事で確認できなかったこと

  • 掲載件数の総数。HTML版は1ページに全件が並びますが、当サイトでは全行を数え切れませんでした。集計値としての件数も、同ページでは確認できませんでした
  • バイナリーオプション関連の掲載件数。上の3件は確認できた例で、網羅ではありません
  • 掲載が削除される条件と掲載期間。ページに記載を確認できませんでした
  • 裁判所への申立てのうち、バイナリーオプションに関するものの件数。一覧は公表されていますが、当サイトでは内訳を確認できませんでした

次に進むなら、相手の商号と登録番号を控えて登録一覧と突き合わせるところからです。手順は業者の登録を確認する手順に、法律上禁止されているのが誰のどの行為なのかはバイナリーオプションは違法かにあります。この記事の内容は、一覧の更新日が変わるため90日ごとに見直します。

この記事の出典

金額・時刻・取引ルールは、下の一次情報で確認できた表記だけを載せています。 確認日以降に変更されている場合があるため、取引の前に各社の公式ページで確かめてください。