「FOMCは日本時間の何時に発表されるのか」を調べると、たいてい「深夜」で終わります。取引の側ではそれでは足りません。回号には判定時刻があり、判定の2分前には注文が止まるため、必要なのは「何時何分」です。
結論を先に書きます。連邦公開市場委員会(FOMC)の声明は米国東部時間の14:00に公表され、議長の記者会見はその30分後です。日本時間に直すと、米国が夏時間の期間は3:00と3:30、標準時の期間は4:00と4:30になります。一方で日本銀行の金融政策決定会合は、決定内容の公表時刻が事前に決まっていません。日本銀行の「公表予定」では、次回会合の決定内容について、時刻の欄が「未定」と書かれています(2026年10月16日確認)。
この違いは、そのまま判断の違いになります。時刻が分かっている発表は「どの回号に重なるか」を前日までに特定できますが、時刻が決まっていない発表では、回号を選ぶという設計そのものが成り立ちません。
この記事では、米国の政策発表の時刻をどこで確認してどう換算するか、日本銀行の公表予定には何が書かれていて何が書かれていないか、そして深夜3時台・4時台の発表が国内6社の回号のどこに入るかを、一次情報の記載だけで確認します。発表後にどちらへ動くかは扱いません。公表資料のどこにも書かれていないためです。経済統計(雇用統計や消費者物価指数)の発表と取引条件の関係はバイナリーオプションと経済指標にまとめています。
米国の政策発表は、時刻まで先に公開されている
FOMCの会合は2日間で、声明は2日目に出ます。連邦準備制度理事会のカレンダーには、2026年の会合として1月27・28日、3月17・18日、4月28・29日、6月16・17日、7月28・29日、9月15・16日、10月27・28日、12月8・9日の8回が、2027年も1月26・27日から12月7・8日までの8回が掲載されています(2026年10月16日確認)。年8回で、日付は年単位で先に分かります。
時刻は、カレンダーと声明そのものの2か所で確認できます。2026年9月16日に公表された声明のページには、見出しの上に「For release at 2:00 p.m. EDT」と記載されています。会見については、2026年10月と12月のカレンダーに「2:30 p.m. FOMC Press Conference」という行があります。声明と会見は別の時刻に起きる2つの出来事で、その間隔は30分です。
日本時間へ直すときに1時間ずれる原因は夏時間です。米国の夏時間は3月の第2日曜から11月の第1日曜までと連邦法(15 U.S.C. 260a)が定めており、この期間の米国東部時間は日本時間より13時間遅れ、期間外は14時間遅れになります。2026年は11月1日が11月最初の日曜日にあたるため、10月27・28日の会合は夏時間、12月8・9日の会合は標準時という扱いになります。
計算すると、10月28日14:00の声明は日本時間の10月29日3:00、会見は3:30です。12月9日14:00の声明は12月10日4:00、会見は4:30です。深夜の1時間の差ですが、後で見るとおり、この1時間で「取引時間の中か外か」が変わる会社があります。
なお、ここで確認できるのは時刻だけです。会合の日程そのものが変更されることもあるため、取引の前にはその日のカレンダーを見ます。そして時刻が分かっても、発表の内容と相場の向きは分かりません。
日銀は、決定内容の公表時刻が「未定」のまま
日本銀行の金融政策決定会合も、年8回・各2日間です。日本銀行は「年8回、各会合とも2日間開催されます。」と説明し、決定内容については「会合終了後、直ちに、当該会合における決定内容を公表します。」としています(2026年10月16日確認)。
ここが米国との決定的な違いです。「会合終了後、直ちに」は、何時かを決めていません。会合が何時に終わるかは、終わるまで分かりません。実際、日本銀行の「公表予定」は公表日・時刻・資料名を並べた表になっていますが、次回会合(2026年10月29日・30日)の決定内容については、時刻の欄が「未定」と書かれています。
| 発表する機関 | 公表されるもの | 時刻 | どこに書かれているか |
|---|---|---|---|
| FOMC(連邦準備制度理事会) | 声明(政策決定) | 米国東部時間 14:00 | 2026年9月16日の声明に「For release at 2:00 p.m. EDT」 |
| FOMC(連邦準備制度理事会) | 議長の記者会見 | 米国東部時間 14:30 | 2026年10月・12月のカレンダーに「2:30 p.m. FOMC Press Conference」 |
| 日本銀行 | 金融政策決定会合の決定内容 | 未定 | 公表予定の時刻欄が「未定」(10月30日の行)。説明は「会合終了後、直ちに」 |
| 日本銀行 | 経済・物価情勢の展望(基本的見解) | 未定 | 公表予定の時刻欄が「未定」(10月30日の行) |
| 日本銀行 | 経済・物価情勢の展望(全文) | 14:00 | 公表予定に11月4日(水)14:00と記載 |
| 日本銀行 | 総裁定例記者会見 | 15:30〜 | 公表予定に「2026年10月30日(金)15:30〜(ライブ配信予定)」 |
| 日本銀行 | 議事要旨(9月17・18日会合分) | 8:50 | 公表予定に11月5日(水)8:50と記載 |
表のとおり、日本銀行の公表物のうち時刻が決まっていないのは決定内容と展望レポートの基本的見解の2つです。展望レポートの全文は翌営業日の14:00、議事要旨は8:50、総裁の定例記者会見は15:30からと、いずれも時刻が公表されています。
ここから言えることは2つあります。1つは、決定内容については回号を事前に特定できないことです。前日のうちに「この回号は避ける」という形の準備ができません。もう1つは、会見については特定できることです。10月30日の15:30は、GMOクリック証券なら第4回号(取引時間14:00〜17:00)の中、外為どっとコムなら第4回号(14:20〜16:18、判定16:20)の中にあたります。みんなのオプションは第4回(13:10〜16:08、判定16:10)と第5回(15:10〜18:08、判定18:10)の2つが同時に開いています(いずれも2026年10月16日確認)。
最後の点は、深夜帯でも同じように効きます。1回号が3時間で2時間おきに始まる会社では、同じ時刻に判定時刻の違う回号が2つ並びます。回号の数え方と長さの違いは回号とはにまとめています。
深夜3時の声明は、その日の最後の回号に入る
ここから、時刻の分かっている米国の発表を国内の回号表に重ねます。先に押さえておきたいのは、深夜3時台・4時台がどの会社でも1日の終わりに近いことです。取引時間は、GMOクリック証券が月〜金曜日の8:00〜翌5:00、楽天証券が9:20〜翌5:20(米国サマータイム期間は1時間繰り上がり)、外為どっとコムが8:20〜翌4:20、みんなのオプションが月曜7:10〜土曜4:10、GMO外貨が7:25〜翌5:25です。
図3を数字で確かめます。10月29日3:00の声明の時点で、みんなのオプションは第10回(1:10〜4:08、判定4:10)が開いており、判定までの残りは1時間10分です。外為どっとコムは第10回号(2:20〜4:18、判定4:20)で残り1時間20分です。GMOクリック証券は第10回号(取引時間2:00〜5:00)が進んでいる一方、第9回号(0:00〜3:00)はちょうど3:00で取引時間が終わります。
12月10日4:00の声明では、同じ回号の残り時間が一気に短くなります。みんなのオプションの第10回は判定4:10までの10分で、売買できるのは4:08までの8分間です。外為どっとコムの第10回号は判定4:20までの20分で、売買は4:18までです。声明を読んで注文を決める時間として、8分や18分が長いかどうかは読者の判断になります。
| 会社(サービス名) | 10月29日 3:00(夏時間の声明) | 12月10日 4:00(標準時の声明) | 会見(3:30/4:30)は取引時間の中か |
|---|---|---|---|
| GMOクリック証券(外為オプション) | 第9回号(取引時間0:00〜3:00)が終わり、第10回号(2:00〜5:00)が進行中 | 第10回号(2:00〜5:00)が進行中 | どちらも中(取引時間は8:00〜翌5:00) |
| 楽天証券(らくオプ) | サマータイム期間のため第10回(2:20〜4:18、判定4:20) | 標準時間のため第10回(3:20〜5:18、判定5:20) | どちらも中(4:20まで/5:20まで) |
| 外為どっとコム(外貨ネクストバイナリー) | 第10回号(2:20〜4:18、判定4:20)。残り1時間20分 | 同じ第10回号。売買できるのは4:18まで | 3:30は中、4:30は外(取引時間は翌4:20まで) |
| みんなのオプション(トレイダーズ証券) | 第10回(1:10〜4:08、判定4:10)。残り1時間10分 | 同じ第10回。売買できるのは4:08まで | 3:30は中、4:30は外(取引時間は4:10まで) |
| GMO外貨(オプトレ!) | 回号ごとの時刻は参照したページで確認できませんでした(取引期間2時間・合計11回) | 同じく確認できませんでした | どちらも取引時間(7:25〜翌5:25)の中 |
| IG証券(バイナリーオプション) | ラダー(当日)は「2:00(1:00)開始、翌日1:00(0:00)終了」などの建て方で、発表は期間の途中に入る | 同じ建て方。カッコ内が夏時間の時刻 | 注文受付終了は取引終了の2分前(種類ごとに時刻が異なる) |
もう1つ、発表の前に決まっていることがあります。権利行使価格です。GMOクリック証券は「基準となる権利行使価格は各回号の注文受付が開始される1分前の為替レート」を四捨五入して決めるとしており、楽天証券は「各回号の取引開始1分前の原資産価格を基準とし、上下均等に7本の権利行使価格を設定します」としています(いずれも2026年10月16日確認)。
これを時刻に当てはめると、10月29日3:00の声明の時点で、GMOクリック証券の第10回号の並びは1:59の相場で、楽天証券の第10回の並びは2:19の相場で決まっています。声明が出る61分前と41分前の価格が基準になっているということです。声明を読んでから買う場合でも、選べるのは発表前に引かれた目盛りの上の選択肢だけです。権利行使価格そのものの意味は権利行使価格とはで扱っています。
会見は、会社によって取引時間の外に出る
表のうち、はっきり分かれるのが会見の扱いです。10月29日3:30の会見は、6社いずれも取引時間の中にあります。ところが12月10日4:30の会見は、外為どっとコム(翌4:20まで)とみんなのオプション(4:10まで)では取引時間が終わったあとです。GMOクリック証券(翌5:00)、楽天証券の標準時間(翌5:20)、GMO外貨(翌5:25)は中に入ります。
取引時間の外というのは、買えないだけではありません。持ったまま会見を迎えることもできません。深夜帯の回号は、会見の前にすべて判定を終えています。会見で相場が動いたとしても、その会社の口座では、その動きに関わる取引が存在しない状態になります。
そして、その回号を見送った場合、次の回号が始まるのは同じ日の朝です。みんなのオプションは4:10に判定を終えると次は7:10、GMO外貨は5:25のあと7:25、GMOクリック証券は5:00のあと8:00、外為どっとコムは4:20のあと8:20です(金曜の深夜なら、次は週明けの月曜になります)。日中の発表なら「1つ見送っても次の回号がある」と言えますが、深夜の政策発表では、見送った時点でその営業日の取引は終わります。取り返すための取引ができない時間帯であることは、裏返せば歯止めにもなります。取引時間帯そのものの違いは取引時間帯で整理しています。
時刻が分かっても、向きは分からない
ここまでで分かったのは、発表が何時に出るか、その時刻に自分の回号がどの段階にあるか、権利行使価格がいつの相場で決まっているか、の3つです。どちらへ動くかは、この3つのどれからも出てきません。
金融庁は、バイナリーオプション取引について「一定時間後のレートをピンポイントで高い確度で予測することは非常に困難です。」としています。あわせて「短期間に繰り返し取引した結果、多額の損失を被るおそれがあります。」とも書いています(2026年10月16日確認)。政策発表の日に取引回数を増やす使い方は、この注意喚起が想定している場面と重なります(投資リスクについて)。
損益の側から見ても、発表によって式が変わるわけではありません。同じ条件を繰り返すと仮定した場合に損益が釣り合う勝率は「購入価格 ÷ ペイアウト額」で求まり、購入価格が300円なら30%、700円なら70%です。これは仮定を置いた計算であって、見込める利益ではありません(損益分岐の勝率)。発表前後にスプレッドが広がる傾向があること、価格が生成されていなければ注文が執行されない場合があることは、各社が取引ルールに明記しています。その記載はバイナリーオプションと経済指標で引用しました。
発表の日にできることは、回号を選ぶか、見送るか
時刻が確認できたとき、取れる手は3つです。
1つめは、判定が発表より前に終わる回号を選ぶことです。10月29日3:00の声明なら、みんなのオプションの第9回(判定2:10)や外為どっとコムの第9回号(判定2:20)は発表前に判定を終えます。ただし、発表の前に相場が動く可能性は残ります。
2つめは、発表をまたぐ回号を選び、残り時間を確認しておくことです。残り1時間10分の回号と、残り8分で売買が終わる回号は、同じ発表でも持ち方が変わります。判定時刻と締切の関係は判定時刻とはと購入の締切にまとめています。
3つめは、その回号を見送ることです。深夜帯では、見送るとその営業日は終わります。日本銀行の決定内容のように公表時刻が「未定」の発表では、回号を選ぶ手が使えないため、実際にはその日に取引するかしないかの判断になります。
どれを選んでも、当てる方法にはなりません。条件を把握したうえで選ぶ、という範囲です。会社ごとの取引時間と回号の数は国内登録業者の比較に並べています。
よくある質問
FOMCの発表は毎月ありますか
ありません。年8回です。2026年は1月・3月・4月・6月・7月・9月・10月・12月に設定されています。会合は2日間で、声明は2日目に出ます。日付も時刻も先に公表されているため、来月や再来月の予定を今日のうちに確認できます。
日銀の発表時刻は本当に分からないのですか
決定内容については、公表予定の時刻欄が「未定」と書かれています。日本銀行の説明も「会合終了後、直ちに」であり、何時という形ではありません。一方、総裁の定例記者会見は15:30からと公表されており、こちらは回号を特定できます。確認できない時刻を、過去の傾向から推測して回号を選ばないでください。
夏時間の切り替わりで、取引時間も動きますか
会社によります。楽天証券は取引時間に「※米国サマータイム期間は1時間繰り上がります」と注記し、標準時間用とサマータイム用の回号表を分けて掲載しています。IG証券も取引期間の表に夏時間の時刻をカッコ書きで併記しています。GMOクリック証券・外為どっとコム・みんなのオプションの回号表には、参照したページに夏時間で動くという記載がありませんでした。発表の時刻と回号の時刻が、両方動く会社と片方しか動かない会社があります。
声明が出た直後に買えますか
買えるかどうかは発表ではなく回号の締切で決まります。GMOクリック証券は満期の2分前以降、新規・決済ともに注文受付を停止し、外為どっとコム・みんなのオプション・IG証券も判定や取引終了の2分前で注文受付が終わります。締切より前であっても、価格が生成されていなければ注文が執行されない場合があると各社が記載しています。
見るものは、発表の予想ではなく自分の回号表
政策発表について、取引の前に確認できるのは時刻だけです。それでも、時刻が分かれば回号は特定できます。米国の会合なら、カレンダーで日付と時刻を確認し、夏時間かどうかで13時間か14時間を足す。日本銀行の会合なら、決定内容の時刻は「未定」であることを前提に、会見の15:30だけを特定する。ここまでは発表を待たずにできます。
そのうえで開くのは、指標の予想値ではなく自分が口座を持っている会社の回号表です。深夜の第10回号が何時に判定を迎えるか、売買が終わるのは何分前か、その後に回号があるか。この3つは会社ごとに違い、どれも発表の前に読めます。読むタイミングは発表当日ではなく、口座を選ぶ段階です。
この記事の出典
金額・時刻・取引ルールは、下の一次情報で確認できた表記だけを載せています。 確認日以降に変更されている場合があるため、取引の前に各社の公式ページで確かめてください。
- 連邦準備制度理事会「FOMC Meeting calendars and information」 公的機関 / 確認日 2026年10月16日
- 連邦準備制度理事会「Calendar: October 2026」 公的機関 / 確認日 2026年10月16日
- 連邦準備制度理事会「Calendar: December 2026」 公的機関 / 確認日 2026年10月16日
- 連邦準備制度理事会「Federal Reserve issues FOMC statement」(2026年9月16日) 公的機関 / 確認日 2026年10月16日
- 米国連邦法 15 U.S.C. 260a(夏時間の期間) 公的機関 / 確認日 2026年10月16日
- 日本銀行「公表予定」 公的機関 / 確認日 2026年10月16日
- 日本銀行「金融政策決定会合の日程・公表資料」 公的機関 / 確認日 2026年10月16日
- 日本銀行「教えて!にちぎん 金融政策決定会合とは何ですか?」 公的機関 / 確認日 2026年10月16日
- GMOクリック証券「外為オプション 取引ルール」 取扱業者の公式ページ / 確認日 2026年10月16日
- 楽天証券「らくオプ サービス概要」 取扱業者の公式ページ / 確認日 2026年10月16日
- 外為どっとコム「外貨ネクストバイナリー 取引概要」 取扱業者の公式ページ / 確認日 2026年10月16日
- トレイダーズ証券「みんなのオプション サービス概要」 取扱業者の公式ページ / 確認日 2026年10月16日
- トレイダーズ証券「みんなのオプション」 取扱業者の公式ページ / 確認日 2026年10月16日
- GMO外貨「オプトレ! 取引概要」 取扱業者の公式ページ / 確認日 2026年10月16日
- IG証券「バイナリーオプション取引概要」 取扱業者の公式ページ / 確認日 2026年10月16日
- 金融庁「バイナリーオプション取引にあたってご注意ください!」 金融庁 / 確認日 2026年10月16日