バイナリーオプション業者比較

バイナリーオプションの信託保全|国内6社の受託先と対象範囲

国内6社の公式ページで、バイナリーオプション口座のお金がどの金融機関へ信託されているかを確認しました。受託先、バイナリーオプションを名指しした記載の有無、入金から信託設定までの日数を並べ、信託保全で戻らないものも整理します。2026年10月27日確認。

国内のバイナリーオプションの口座へ入金すると、そのお金は業者の運転資金と混ざらないように信託銀行の口座へ移されます。取扱6社の公式ページを1社ずつ開いて確認したところ、6社とも区分管理信託(信託保全)を行っていると公表していました(2026年10月27日確認)。受託先として名前が挙がっている金融機関は2〜5機関で、会社ごとに違います。

ただし、公表の細かさはそろっていません。バイナリーオプションの口座や取引を名指しして対象だと書いているのは5社で、GMO外貨だけは区分管理の説明が投資信託・FX・CFDの3つに分かれており、参照したページではオプトレ!を名指しした記載を確認できませんでした。入金から信託設定までの日数を公表しているのは3社だけです。

もう一つ、取り違えると損をする点があります。信託保全は業者が破綻したときに預けた資金を返すための制度で、取引で外れた分を補う制度ではありません。この記事では、6社の受託先と公表の範囲を並べたうえで、返還の対象になるものとならないものを分けます。取扱オプションや取引時間といった取引ルールそのものの横並びは業者比較に、国内と海外で制度がどう違うのかは国内業者と海外業者の違いにあります。

信託保全という言葉が指しているもの

みんなのオプションの信託保全のページには「信託保全サービスは、金融商品取引法に基づくものです。」と書かれています。会社が独自に上乗せしているサービスではなく、法令に沿って行う顧客資産の管理だということです。対象になる金額は各社が「顧客区分管理必要額」と呼んでいるもので、GMO外貨は質問集で「信託保全により、お客さまの顧客区分管理必要額を、当社の固有財産と区分し、信託財産として管理しています。」と説明しています。

返還の道筋も公表されています。受益者代理人と呼ばれる役回りの人が信託銀行と顧客のあいだに入り、業者が破綻したときに返還の手続きを進めます。GMOクリック証券は「受益者代理人として社外の弁護士を選定」していると書き、IG証券は外部の第三者として公認会計士を選んだと書いています。みんなのオプションは、通常時に保全金額の照合を見る社内の責任者と、緊急時に動く社外の弁護士の2名を置いていると説明しています。

逆に言えば、この経路が動くのは破綻のときだけです。判定が外れてオプション料を失ったときに、信託銀行からお金が戻ってくることはありません。1回あたりの損失が購入代金の範囲に収まることと、資金が減らないことは別の話です(バイナリーオプションのリスク)。

入金したお金が信託銀行へ移り、破綻時に受益者代理人を通じて返還されるまでの4段階のフロー図。2の業者が預かる段から下へ分岐し、購入した代金は信託保全の経路から外れることを示す。3の信託設定は入金と同時ではなく、日数を公表する3社では1〜2営業日のずれがある。登録を受けていない業者にはこの経路そのものがない
図1:返還の対象になる青い経路と、対象から外れる黄色い枝を分けています各社が公表している区分管理信託の説明に共通する流れを当サイトで図にしました。経路の名称と「金融商品取引法上の登録を受けた業者か確認する」という注意は、GMOクリック証券「分別管理、区分管理」、みんなのオプション「信託保全」、金融庁「バイナリーオプション取引にあたってご注意ください!」の記載によります(いずれも2026年10月27日確認)

6社の受託先と、どこまで公表されているか

受託先の金融機関名は、各社のページの表記のまま並べています。「名指しした記載」の列は、バイナリーオプションの口座名や「店頭通貨バイナリーオプション取引」という言葉を使って、その口座・取引が対象だと書いているかどうかです。

会社(サービス)受託先として挙げている金融機関バイナリーオプションを名指しした記載確認したページ
GMOクリック証券(外為オプション)三井住友銀行/三井住友信託銀行/日証金信託銀行あり(外為オプション取引口座)分別管理、区分管理/質問集
楽天証券(らくオプ)三井住友銀行/楽天信託あり(バイナリーオプション口座の預託金)らくオプのよくあるご質問
みんなのオプション三菱UFJ信託銀行/SBIクリアリング信託/三井住友銀行あり(店頭通貨バイナリーオプション取引)信託保全
GMO外貨(オプトレ!)三井住友銀行/みずほ信託銀行/SBIクリアリング信託確認できず(投資信託・FX・CFDの3区分のみ)分別管理について/質問集
外為どっとコム(外貨ネクストバイナリー)三井住友銀行/みずほ信託銀行/あおぞら銀行/SBIクリアリング信託/三井住友信託銀行あり(外貨ネクストバイナリーの口座)安心の信託保全(FX取引)/質問集
IG証券(バイナリーオプション)三井住友銀行/みずほ信託銀行あり(バイナリーオプション取引概要の中)バイナリーオプション取引概要/安心の信託保全
表1:受託先の数は2〜5機関で、外為どっとコムの5機関だけはFX取引のページの記載です出典は各社の公式ページ(記事末尾の一覧、いずれも2026年10月27日確認)。「確認できず」は参照したページにその記載が無かったという意味で、対象外だという意味ではありません

GMOクリック証券は、会社情報の分別管理のページで「三井住友銀行」「三井住友信託銀行」「日証金信託銀行」と顧客区分管理信託契約を結んでいると書き、外為オプション取引口座についても同様に信託していると続けています。質問集でも外為オプション取引口座を名指しして「万が一、GMOクリック証券が破綻しても大切なお客様の資産は守られます。」と答えています。

楽天証券は、らくオプの質問集で「お客様から預託を受けた預託金は、その額を株式会社三井住友銀行及び楽天信託株式会社における信託により、当社の自己資金とは区分して管理します。」と書いています。みんなのオプションは信託保全のページで対象サービスを「店頭外国為替証拠金取引、店頭通貨バイナリーオプション取引、店頭暗号資産証拠金取引」と並べており、6社の中でもっともはっきりバイナリーオプションを対象に挙げています。

外為どっとコムは、質問集の「万が一、外為どっとコムが破綻した場合、外貨ネクストバイナリーの口座に入っている資産も信託保全の対象となりますか?」という問いに「はい。信託保全対象です。」と答えています。ただし5つの金融機関名が並んでいるのはFX取引の信託保全ページで、バイナリーオプション側のページに金融機関名の個別の記載は見つかりませんでした。

IG証券は、バイナリーオプション取引概要のページそのものに「当社に破綻等万が一の場合が生じたときでも、個々のお客さまの口座清算価値に応じた額が、受益者代理人を通じてお客さまに直接返還される仕組みになっています。」と書いています。受託先の銀行名は別ページで、「弊社ではお客様からお預かりした資金を、三井住友銀行及びみずほ信託銀行の信託口座にて、厳密に管理しております。」という書き方でした。

GMO外貨だけは名指しの記載を確認できませんでした。区分管理のページは「分別管理について(投資信託)」「区分管理について(FX)」「分別管理について(CFD)」の3つに分かれており、オプトレ!の名前は出てきません。質問集には信託保全を行っているという説明がありますが、どのサービスの資金が対象なのかを特定できる記載には行き当たりませんでした。対象外だという意味ではありません。公表されていないだけなので、確かめたい場合は問い合わせることになります。

受託先をたどると、6社すべてに同じ銀行の名前がある

会社ごとではなく金融機関ごとに並べ替えると、重なりが見えます。株式会社三井住友銀行は、6社すべてが名前を挙げています。みずほ信託銀行とSBIクリアリング信託が3社ずつ、三井住友信託銀行が2社、三菱UFJ信託銀行・日証金信託銀行・楽天信託・あおぞら銀行がそれぞれ1社です。

受託先の金融機関ごとに、名前を挙げている会社を並べた図。三井住友銀行は6社、みずほ信託銀行とSBIクリアリング信託は3社、三井住友信託銀行は2社、三菱UFJ信託銀行・日証金信託銀行・楽天信託・あおぞら銀行は1社ずつが挙げている
図2:8機関のうち、三井住友銀行だけが6社すべての公表ページに出てきます表1の受託先を機関ごとに数え直したものです(2026年10月27日確認)。外為どっとコムの5機関はFX取引の信託保全ページの記載で、会社数は評価や順位ではありません

ここで気をつけたいのは、受託先の数を多い順に並べても業者選びの基準にはならないことです。いくつの金融機関と契約するかは、信託する金額の規模や契約の経緯で決まります。公表されているのは機関名であって、各機関へいくら信託されているかの内訳ではありません。数が多いほど安全だと読めるような公表値は、6社のどのページにもありませんでした。

同じ銀行名が並ぶことを「どこでも同じ」と読むのも早すぎます。対象として名指しされている取引、信託設定までの日数、受益者代理人の立て方は会社ごとに違いました。並べて意味があるのは機関名の数ではなく、この3点です。

入金したお金は、その日のうちには信託されない

信託は入金の瞬間に完了するわけではありません。日数を公表している3社の書き方はこうです。みんなのオプションは「毎営業日(※1)の当社各取引時間終了時点(※2)までに当社が入金を確認できたものにつき、翌営業日(※1)に信託設定します」と書いています。GMOクリック証券は「信託保全対象額確定日から2銀行営業日後に信託口座での信託設定が完了」とし、外為どっとコムはFX取引のページで、毎営業日(日本の祝祭日は除く)の午前7時時点で確認した金額を翌営業日までに信託すると説明しています。

入金を確認した日を起点に信託設定までの日数を3社ぶん並べたタイムライン。GMOクリック証券は信託保全対象額確定日から2銀行営業日後、みんなのオプションは確認した入金を翌営業日に信託設定、外為どっとコムはFX取引のページの記載で午前7時時点で確認し翌営業日までに信託。楽天証券・GMO外貨・IG証券は日数を確認できなかった
図3:日数を公表しているのは3社で、残る3社は空欄のまま残しています各社の表記のまま置いています。GMOクリック証券「分別管理、区分管理」、みんなのオプション「信託保全」、外為どっとコム「安心の信託保全(FX取引)」より(いずれも2026年10月27日確認)。「銀行営業日」「営業日」の数え方は各社のページで定義されています

このずれは、短い期間に大きな額を動かさない限り意識しなくてよい話です。それでも、入金した直後には、まだ信託設定が終わっていない時間帯があることは、公表された事実として押さえておく価値があります。入金の反映と信託の設定は別の手続きで、取引画面の残高に入るタイミングとも一致しません(入金はいつ反映されるか)。

楽天証券・GMO外貨・IG証券は、信託を行っていること自体は公表していますが、設定までの日数を参照したページで確認できませんでした。推測で日数を書くことはできないので、空欄のまま残します。

「全額が戻る」と書いている会社はない

預かった資金の管理と、破綻したときの返還について、各社がどう書いているかを抜き出しました。もっとも踏み込んでいるのはGMO外貨で、全額が戻るとは限らないと明記しています。「当社破綻時点におけるお客さまの資産の全額が返還されるとは限らないことにご留意ください。」という文です。

会社顧客資産の管理・返還についての表記(抜粋)受益者代理人の記載
GMOクリック証券万が一、GMOクリック証券が破綻しても大切なお客様の資産は守られます。社外の弁護士を選定
楽天証券お客様から預託を受けた預託金は、その額を株式会社三井住友銀行及び楽天信託株式会社における信託により、当社の自己資金とは区分して管理します。-
みんなのオプション三菱UFJ信託銀行株式会社、SBIクリアリング信託株式会社及び株式会社三井住友銀行と信託契約を締結し信託口座にて区分管理しております。社内の責任者(通常時)と社外の弁護士(緊急時)の2名
GMO外貨当社破綻時点におけるお客さまの資産の全額が返還されるとは限らないことにご留意ください。CFDの説明では社外の税理士と内部管理統括責任者
外為どっとコム保全の対象にポジションの評価損益や未実現スワップポイント等を含む(FX取引のページ)-
IG証券当社に破綻等万が一の場合が生じたときでも、個々のお客さまの口座清算価値に応じた額が、受益者代理人を通じてお客さまに直接返還される仕組みになっています。外部の第三者として公認会計士
表2:「資産は守られます」と書く会社と、全額とは限らないと書く会社が同じ6社の中にあります抜粋は各社の公式ページの表記です(いずれも2026年10月27日確認)。「-」は参照したページで受益者代理人の記載を確認できなかったという意味です。外為どっとコムの欄はFX取引の信託保全ページの説明で、バイナリーオプションに同じ記載があるかは確認できていません

IG証券の「個々のお客さまの口座清算価値に応じた額」という書き方も、入金した額がそのまま返るという意味ではありません。IG証券のバイナリーオプションは国内で唯一の証拠金取引で、「各取引の最大損失額を維持証拠金として管理します。」という仕組みのため、口座の中身の評価が返還額の基準になります(IG証券の証拠金取引)。

外為どっとコムは、保全の対象を広く書いている会社です。FX取引のページでは、預けた金額だけでなく「ポジションの評価損益や未実現スワップポイント等」も対象に含むと説明しています。バイナリーオプションに為替のスワップポイントはないため、この記述がそのまま当てはまるわけではありませんが、保全の対象が入金残高だけとは限らないことが分かります。

信託保全で戻らないもの

戻らないものは2つあります。1つ目は、判定が外れて失った購入代金です。これは破綻とは関係なく、取引の結果として確定した損失で、信託銀行から返ってくるものではありません。2つ目は、登録を受けていない業者に預けたお金です。区分管理信託は金融商品取引法に基づく制度なので、法の外にいる相手には最初から適用されません。

みんなのオプションを案内するトレイダーズ証券の公式ページの画面
みんなのオプションの公式ページの引用キャプチャ(ロゴ・商標の権利は運営会社に帰属)。この記事で引用した「信託保全サービスは、金融商品取引法に基づくものです。」と、対象サービスに「店頭通貨バイナリーオプション取引」を挙げた記載は、このサイトのサポート内にある信託保全のページに書かれています。出典 みんなのオプション/キャプチャ取得日 2026年8月21日、記載の確認日 2026年10月27日

金融庁は注意喚起のページで「日本で登録を受けずに日本に居住する者に対して金融商品取引を業として行うことは禁止されています。」と書き、「取引を始める前には、取引の相手が金融商品取引法上の登録を受けている業者であることを必ず確認してください。」と呼びかけています(同ページには「令和6年6月28日」の更新と表示されています)。登録の確かめ方は登録業者かどうかを確認する手順に、国内と海外で制度がどう違うのかは国内業者と海外業者の違いにまとめています。

受託先は変わる。確認日とセットで読むこと

この項目は、一度読んで終わりにできません。GMOクリック証券は2025年8月29日に「信託保全先の変更に伴う前書面、および取引ルール改定のお知らせ」を出し、2025年9月1日からみずほ信託銀行を受託先から外しました。残るのは三井住友銀行・三井住友信託銀行・日証金信託銀行の3行です。このお知らせには、変更は顧客の利益を害するものではないため同意の取り直しは行わない、という説明も添えられています。

外為オプションを案内するGMOクリック証券の公式ページの画面
外為オプションの公式ページの引用キャプチャ(ロゴ・商標の権利は運営会社に帰属)。この記事で引用した3つの信託銀行名と「信託保全対象額確定日から2銀行営業日後」という記載は、同じサイトの会社情報にある分別管理のページに、受託先の変更は2025年8月29日のお知らせに書かれています。出典 GMOクリック証券「外為オプション」/キャプチャ取得日 2026年8月21日、記載の確認日 2026年10月27日

つまり、受託先の金融機関名は確認日とセットでなければ意味を持ちません。当サイトはこの記事の値を90日ごとに読み直し、次回は2027年1月25日に確認します。それより前に自分で確かめるときは、会社情報の「分別管理」「信託保全」「お客様資産の管理」といったページを開き、バイナリーオプションの口座が対象として書かれているか、受託先の名前と更新日が入っているかを見ます。見つからなければ、公表されていないという状態をそのまま受け取って問い合わせる、という順番になります。

同じ考え方で、取引ルールの側も確認日つきで並べています。6社の取扱オプション、取引時間、権利行使価格の本数などの横並びは業者比較に、条件での絞り込みは比較・口座選びから辿れます。

この記事の出典

金額・時刻・取引ルールは、下の一次情報で確認できた表記だけを載せています。 確認日以降に変更されている場合があるため、取引の前に各社の公式ページで確かめてください。