少額取引比較

バイナリーオプションの取引手数料を6社比較|0円でも負担が出る3か所

国内6社の公式ページで取引手数料と口座の維持費用を確認しました。無料・0円と明記しているのは5社で、IG証券は取引概要に記載がありません。負担が出るのは購入価格のスプレッド、途中売却の差、5,000円未満の出金の330円でした。

国内のバイナリーオプションは、1枚40円台から買えると各社が公表しています。それなら1回の取引ごとに手数料が引かれるのか、口座を持っているだけで費用がかかるのか。6社の公式ページを1社ずつ開いて「手数料」の欄だけを見ていくと、取引手数料を「無料」または「0円」と明記しているのは5社でした。IG証券だけは取引概要に取引手数料の記載を確認できず、口座を維持する費用については別のヘルプページに「2024年1月の徴収を以って口座管理手数料を廃止いたしました。現在はすべてのお客さまに無料でご利用いただけます。」と書かれています(2026年10月29日確認)。

ここで読むのをやめると、負担が0円だと受け取ってしまいます。各社は手数料の欄とは別の場所で、価格の決め方を公表しています。外為どっとコムは「同一の権利行使価格のコールオプションの購入価格とプットオプションの購入価格は算出した理論値にリスクプレミアムを加算した価格となります」と書き、GMO外貨は購入価格を「ブラック・ショールズ式を用いた結果得られた値に、スプレッドを考慮して算出します」と書いています。手数料の欄が0円でも、業者の取り分は価格の中に入っています。

このページでは、取引のたびに引かれるもの、口座を持っているだけでかかるもの、資金を出すときにかかるものを分けて、6社の公表表記のまま並べます。口座へいくら入れられるかという下限は少額取引の入金と出金の下限、1単位の値段そのものは最低購入額の6社比較で扱っているので、ここでは費用だけを見ます。

取引手数料は5社が「無料」「0円」と明記、IG証券は取引概要に記載がない

まず、各社が手数料としてページに書いている文言をそのまま並べます。言い換えずに転記し、参照したページで確認できなかった項目は「-」にしています。

会社(サービス)取引手数料の表記口座の維持・管理の費用保証金・証拠金入金・出金で費用が出る場合
GMOクリック証券(外為オプション)「0円」口座開設・維持費用「0円」--
楽天証券(らくオプ)「店頭通貨バイナリーオプション取引の取引手数料は無料です。」---
みんなのオプション(トレイダーズ証券)「各取引の取引手数料及び口座管理費は無料です。」同じ記載で口座管理費も「無料」。ただし「店頭暗号資産証拠金取引において建玉を翌日まで持ち越した場合、別途建玉管理料が発生します。」--
GMO外貨(オプトレ!)「無料」--入金「無料(外貨ex口座からの振替のみとなっています)」/出金「無料(外貨ex口座への振替のみとなっています)」
外為どっとコム(外貨ネクストバイナリー)「無料」-「新規取引は購入のみで、「同取引における最大損失額=購入価格」となるため、保証金は必要ありません。」-
IG証券(バイナリーオプション)取引概要に取引手数料の記載を確認できず「2024年1月の徴収を以って口座管理手数料を廃止いたしました。現在はすべてのお客さまに無料でご利用いただけます。」「バイナリーオプション取引に必要な維持証拠金額は、該当するバイナリーオプション取引時に発生しうる最大損失額(※損益通貨ベース)と同額となります。」「5,000円未満のご出金には、330円の手数料が発生いたします。」
表1:取引手数料の欄は横並びでも、口座の費用と保証金の書き方は会社ごとに違います出典は記事末尾の一覧にある各社の公式ページで、いずれも2026年10月29日に確認しました。「-」は参照したページでその項目の記載を確認できなかったという意味で、費用が存在しないという意味ではありません

表を横に見ると、取引のたびに別立てで引かれる手数料は、どの会社のページにも出てきません。GMOクリック証券は取引ルールのページで取引手数料を「0円」、口座開設・維持費用も「0円」と並べています。楽天証券はよくあるご質問で「店頭通貨バイナリーオプション取引の取引手数料は無料です。」と答えています。みんなのオプションは「各取引の取引手数料及び口座管理費は無料です。」と、取引と口座の2つをまとめて書いています。

ばらつきが出るのは、手数料より周辺の項目です。みんなのオプションの記載には続きがあり、「店頭暗号資産証拠金取引において建玉を翌日まで持ち越した場合、別途建玉管理料が発生します。」という条件が付いています。これはバイナリーオプションではなく別の取引についての条件ですが、同じ文の中にあるため、無料の範囲を読み違えやすい場所です。GMO外貨は入金と出金を「無料」としたうえで、どちらも外貨ex口座との振替に限ると書いています。オプトレ!の口座へ銀行から直接入れる形ではないということです。

IG証券は、同じ形で比べられない1社です。バイナリーオプション取引概要には取引手数料の行がなく、代わりに「売値と買値には差があり、拡大することがあります。」「スプレッドは提示する価格水準および取引終了までの残存時間により変動する場合があります。」と書かれています。費用を手数料として示さず、価格差として示している形です。口座を維持する費用は別のヘルプページで廃止が明記されており、こちらは確認できました。

「無料」でも負担が消えない理由は、価格の決め方に書いてある

取引手数料が0円なら、業者はどこで収益を得ているのか。答えは各社の「購入価格の決定方法」の欄にあります。外為どっとコムは、価格を「原資産の現在価格、変動率(ボラティリティ)、利回り、および権利行使価格、権利行使までの期間という5つの要素を変数とする『ブラック・ショールズモデル』に基づいて得られた値を基準に算出します」と説明し、そのうえで「同一の権利行使価格のコールオプションの購入価格とプットオプションの購入価格は算出した理論値にリスクプレミアムを加算した価格となります」と書いています。理論値そのままではなく、上乗せした価格が画面に出るということです。

バイナリーオプションの購入価格が決まるまでの4段階と各社の手数料欄の表記を左右に並べた図。左の列は、ブラック・ショールズモデルで原資産の現在価格・変動率・利回り・権利行使価格・権利行使までの期間の5要素から理論値を出し、次にスプレッドやリスクプレミアムが加算され、画面に出る購入価格はGMOクリック証券が約50円〜999円、楽天証券が最大999円、みんなのオプションが50円〜990円、GMO外貨が40円〜990円で刻み値10円、外為どっとコムが約40円〜1,000円、IG証券が0〜100ポイントの0.1刻み、判定後は的中で1枚あたり1,000円、外れで0円になることを示す。右の列は各社の手数料欄の表記で、5社が取引手数料を無料または0円と明記し、IG証券だけは取引概要に記載がなく、口座管理手数料は2024年1月の徴収を以って廃止、維持証拠金額は発生しうる最大損失額と同額、5,000円未満の出金に330円と書かれている
図1:手数料の欄は流れの外にあり、負担は②に入っています①と②の文言は外為どっとコム「取引概要」とGMO外貨「オプトレ!のお取引ルール」、③の金額はGMOクリック証券「外為オプションとは」、楽天証券「よくあるご質問」、みんなのオプション「購入価格とペイアウト」、GMO外貨「オプトレ!のお取引ルール」、外為どっとコム「取引概要」、IG証券「取引概要」の表記です(いずれも2026年10月29日確認)。仮定の数値は使っていません

同じ趣旨の記載は他社にもあります。GMO外貨は購入価格を「ブラック・ショールズ式を用いた結果得られた値に、スプレッドを考慮して算出します」と書き、楽天証券は「オプションの購入価格と売却価格には差(スプレッド)があり売却時に損失を被る可能性があります。」と注意しています。みんなのオプションも「相場の変動により当社が提示する購入価格よりもお客様に不利な価格で購入が成立する場合があります」としています。5社が、価格に差が含まれることを自分のページで書いています。

この構造はFXのスプレッドと似ていますが、見える場所が違います。FXでは売値と買値の差が数値で表示されますが、バイナリーオプションでは1枚あたりの価格として1つの数字で出てくるため、いくら上乗せされているかを画面から読み取れません。仕組みの違いはバイナリーオプションにスプレッドはある?で扱っています。手数料を比べて差が付かないのは、各社が0円で競っているからではなく、比べる場所がここではないからです。

途中で売ると、同じ権利行使価格でも売却価格のほうが低い

負担が目に見える形で出るのは、判定を待たずに途中で売ったときです。外為どっとコムは価格の決定方法の中で「スプレッドの設定により、同一権利行使価格においては『売却価格<購入価格』となります」と明記し、購入価格を「1Lotあたり約40円~1,000円」、売却価格を「1Lotあたり0円~約1,000円」としています。買った瞬間に売っても、差のぶんだけ戻りが少なくなります。

みんなのオプションは、同じ関係を上限の数字で示しています。「1Lotあたりの最大価格は、購入の場合990円、売却の場合1,000円です」という記載で、買う側と売る側で端が違います。楽天証券は転売について「転売金額は取引数量×取引価格(売却価格)となります」と書き、別に「1枚あたりの最大購入価格は999円です。」としています。価格の端がどう違うかは購入価格の上限を6社比較で詳しく見ています。

途中売却そのものは、6社いずれも用意されています。GMOクリック証券は「満期になる前に途中売却、再購入も可能です。」と書き、外為どっとコムは「取引可能時間中に、購入したオプションを清算することは可能です。」としています。IG証券は「取引終了間際では取引スプレッドが大きく拡大することがあります。」と注意しており、終了が近いほど差が開く場合があると読めます。損失を小さくするために途中で売る判断は、この差を払って行うことになります。操作の流れは途中売却のやり方、仕組みは途中売却とはにあります。

回数を重ねて増えるのは、手数料ではなく購入代金

少額で何度も取引する人がいちばん気にするのは、回数を増やしたときに費用がどれだけ積み上がるかでしょう。手数料については、積み上がりません。5社が0円と書いており、回数に応じた課金の記載はどのページにもありませんでした。増えるのは購入代金です。

1営業日に1枚ずつ取引を重ねたときの購入代金の累計と取引手数料の累計を縦棒で比べた図。1枚50円と仮定すると1回で50円、3回で150円、6回で300円、9回で450円、12回で600円の購入代金になり、取引手数料の累計はどの回数でも0円のまま。1営業日に設定できる判定時刻の最大数は12回で金融先物取引業協会の自主規制による。的中した回は1枚あたり1,000円のペイアウト、外れた回は購入代金がそのまま損失になる
図2:手数料の棒は0円のまま動かず、青い棒だけが伸びていきます1枚50円は説明のために置いた仮定で、各社の公表レンジ(約40円〜1,000円)の中で実際の価格は変わります。見込める金額ではありません。12回という上限は金融先物取引業協会「取扱ルールの概要」の「1営業日に設定できる判定時刻の最大数は12回となります。」、注意喚起は金融庁の記載です(2026年10月29日確認)

回数には上限があります。金融先物取引業協会は「1営業日に設定できる判定時刻の最大数は12回となります。」としており、1営業日に判定が来る回数はここで止まります。ただし1回に何枚買うかに上限はありません。1回に10枚買えば、1枚50円と仮定しても1回で500円が動きます。回数ではなく1回の枚数が、資金の減り方を決めます。各社の回号の並び方は取引回数を6社比較で確認できます。

金融庁は、この商品について「比較的少額で購入でき、取引における損失額はオプション料に限定される」ことから「一見、リスクの低い取引であると誤解を招きやすい」と指摘し、「短期間に繰り返し取引した結果、多額の損失を被るおそれ」があると注意を促しています。1回あたりの損失には上限がありますが、回数を重ねれば合計に上限はありません。手数料が0円であることは、この性質を何も変えません。

保証金の扱いは、記載を確認できた2社で違う

もうひとつ、少額で始める人に関わる差があります。購入代金のほかに、口座へ拘束される額があるかどうかです。外為どっとコムは取引概要の必要保証金の欄に「新規取引は購入のみで、「同取引における最大損失額=購入価格」となるため、保証金は必要ありません。」と書いています。買った代金だけを用意すればよい形です。

購入代金のほかに口座へ拘束される額があるかを、公表記載を確認できた2社で左右に並べた比較図。左の外為どっとコムは取引概要の必要保証金の欄に、新規取引は購入のみで最大損失額は購入価格となるため保証金は必要ありませんと記載。右のIG証券は、バイナリーオプション取引に必要な維持証拠金額は発生しうる最大損失額と同額となりますと記載し、取引概要には各取引の最大損失額を維持証拠金として管理しますと書かれている。GMOクリック証券・楽天証券・みんなのオプション・GMO外貨の4社は参照したページで保証金の記載を確認できなかった
図3:同じ「買うだけ」の取引でも、口座での扱いの書き方が分かれます左は外為どっとコム「取引概要」の必要保証金の欄、右はIG証券「バイナリーオプション銘柄詳細情報」と「バイナリーオプション取引概要」の表記です。破線の枠は、今回参照したページで保証金・証拠金の記載を確認できなかった4社で、制度が無いという意味ではありません(2026年10月29日確認)

IG証券は違う書き方をしています。「バイナリーオプション取引に必要な維持証拠金額は、該当するバイナリーオプション取引時に発生しうる最大損失額(※損益通貨ベース)と同額となります。」とあり、取引概要にも「各取引の最大損失額を維持証拠金として管理します。」と書かれています。失う上限の額が、証拠金として口座で管理される形です。払う額の上限が変わるわけではありませんが、その取引が終わるまで同じ資金を別の注文に回せません。残り4社については、今回参照した取引ルール・サービス概要・取引概要のページで保証金の記載を確認できませんでした。

IG証券は価格の出し方も他社と違い、「0から100の間で価格が0.1刻みで表示されます」「取引価格100ポイント(ペイアウト発生しない場合は0ポイント)で清算されます。」としています。円ではなくポイントで提示されるため、1枚40円や50円という他社の数字と直接は比べられません。取引条件の全体はIG証券の業者ページ、保証金が不要と明記している会社は外為どっとコムの業者ページで確認できます。

出金と口座の維持では、少額だと330円が効く

費用として実際に金額が書かれているのは、出金のところです。IG証券は「5,000円未満のご出金には、330円の手数料が発生いたします。」と書き、「5,000円未満のご依頼額の場合、ご依頼額から出金手数料が差し引かれます」としています。1枚50円で取引している人にとって、330円は6枚ぶんを超える金額です。残高が少なくなってから何度も出すと、取引で減ったのか手数料で減ったのかが分からなくなります。

IG証券のバイナリーオプションのサービスを案内する公式ページの画面
6社のうち1社だけ取引概要に取引手数料の記載がなかったIG証券の公式ページの引用キャプチャ(ロゴ・商標の権利は運営会社に帰属)。取引手数料の欄の不在はバイナリーオプション取引概要、口座管理手数料の廃止と5,000円未満の出金の330円はヘルプセンターの各ページに記載されています。出典 IG証券 バイナリーオプション/キャプチャ取得日 2026年8月21日、記載の確認日 2026年10月29日

他の5社は、円での出金について負担の記載がありませんでした。GMO外貨は出金を「無料」としつつ、外貨ex口座への振替のみと書いています。口座の間を通す手順が1つ増える形です。出金の下限や振込の扱いを含めた全体像は出金手数料はいくら?にまとめています。

口座を持っているだけでかかる費用は、確認できた3社がいずれも0円でした。GMOクリック証券は口座開設・維持費用を「0円」、みんなのオプションは口座管理費を「無料」、IG証券は2024年1月の徴収を最後に口座管理手数料を廃止しています。楽天証券・GMO外貨・外為どっとコムについては、参照したページで口座の維持費用の記載を確認できませんでした。記載が無いことは0円という意味ではありません。取引説明書と手数料のページで確かめてください。

少額で何度も取引する前に確認する順番

ここまでの公表値を踏まえると、確認する場所は6つに整理できます。手数料の欄だけを見て終わらせないための順番です。

確認する項目どこを見るか今回確認できた記載
1回ごとの手数料取引ルール・サービス概要の「手数料」の欄5社が「無料」「0円」。IG証券は取引概要に記載なし
持っているだけでかかる費用「口座開設・維持費用」「口座管理費」の欄GMOクリック証券「0円」、みんなのオプション「無料」、IG証券は2024年1月で廃止。他3社は確認できず
価格に含まれる差「購入価格の決定方法」の欄リスクプレミアムの加算(外為どっとコム)、スプレッドを考慮(GMO外貨)ほか
途中で売るときの差売却価格・転売の欄「売却価格<購入価格」(外為どっとコム)、購入990円/売却1,000円(みんなのオプション)
拘束される額「必要保証金」「維持証拠金」の欄保証金は必要なし(外為どっとコム)、最大損失額と同額(IG証券)
資金を出すときの費用出金のページIG証券は5,000円未満の出金に330円。他5社は円での出金に負担の記載なし
表2:上の2行だけを見ると、手数料は横並びで差が無いと読めてしまいますいずれも2026年10月29日に各社の公式ページで確認した範囲です。「確認できず」は、参照したページにその項目の記載が見つからなかったという意味です

6社はいずれも金融庁の登録を受けた国内の業者です。海外の業者が手数料無料をうたっていても、金融庁は「日本で登録を受けずに日本に居住する者に対して金融商品取引を業として行うことは禁止」としており、「取引を始める前に、取引の相手が金融商品取引法の登録を受けている業者であることを必ず確認してください。」と呼びかけています。費用の比較は、登録を確認したあとの話です。取引の前に確かめることは投資リスクについてにまとめています。

手数料の欄を見比べて差が付かなかったのは、調べ方が足りなかったからではありません。この商品では、費用が価格の中と出金の条件に移っているからです。条件を組み合わせて口座を選ぶときは比較・口座選びから辿ってください。金額と文言はいずれも2026年10月29日時点の公表値なので、申込みの前に各社の公式ページで確かめてください。

この記事の出典

金額・時刻・取引ルールは、下の一次情報で確認できた表記だけを載せています。 確認日以降に変更されている場合があるため、取引の前に各社の公式ページで確かめてください。