FXトレードでは、一般的なトレード手法に「両建て」がありますが、バイナリーオプションではどうなのでしょうか?今回は、バイナリーオプションにおける両建て取引について解説します。
そもそも、「両建て」とは?
FXトレードにおける「両建て」とは
を言います。
FXトレードで「買い」ポジションと「売り」ポジションを同時に持つ必要性とは?
必要性その1.中長期トレンドと短期トレンドの両方を狙う
為替チャートは、一直線にトレンドが形成されることはほとんどなく、小さい上下動を繰り返しながら、大きな方向にトレンドが形成されるのが一般的です。
このときに
- 中長期トレンド → 「買い」ポジション
- 短期トレンド → 「売り」ポジション
という形で、逆の方向のポジションを持つ「両建て」が発生するのです。
必要性その2.スワップポイントを狙う
FXトレードでは、ポジションを持っているとその通貨ペアの「利息(スワップポイント)」を受け取ることができます。
この「利息(スワップポイント)」のみを得たい場合に、為替による損益は不必要なのです。片方のポジション^だけを持ってしまうと、利益か、損失が発生してしまいますが、「両建て」で「買い」ポジションと「売り」ポジションを同時に持っておけば、為替損益はずっとないまま、「利息(スワップポイント)」のみが受け取れるのです。
必要性その3.節税で使う
年末の時期に必要以上の利益が出てしまった場合に、税金を納めなければなりません。しかし、FXトレードの損益は、「エグジット」したポジションの損益で決まります。保有ポジションは、課税対象ではないのです。
だとすれば、「買い」ポジションと「売り」ポジションを同時に持っておいて、年末に必要な分、「含み損」が出ているポジションのみを決済し、年明けに「含み益」が出ているポジションを決済をすれば、翌年に利益が持ち越されることになり、税金の繰り延べによる節税が可能になるのです。
バイナリーオプションによる「両建て」とは
を言います。
しかしながら、バイナリーオプションは基本的に「短期取引」であり、前述したFXトレードのような「両建て」を活用する局面は少ないように感じてしまいます。
今回は、バイナリーオプションによる両建て手法とやり方について解説します。
バイナリーオプションによる両建て手法とやり方
その1.国内バイナリーオプション業者で、急激な相場変動時に大きなペイアウトを狙う!
国内バイナリーオプション業者の場合は
という特徴があります。
例:FXTFバイナリー・トレード(バイトレ)/ゴールデンウェイ・ジャパン
ペイアウト額:10,000円
- 現在レート:111.334
一番離れている「HIGH」
- 購入額:360円
- ペイアウト額:10,000円(ペイアウト倍率:27.78倍)
- 判定レート:111.568
一番離れている「LOW」
- 購入額:480円
- ペイアウト額:10,000円(ペイアウト倍率:20.83倍)
- 判定レート:111.148
となっています。
という「両建て」手法になります。
これは国内バイナリーオプション業者でしか利用できませんが
- 指標発表時
- 重大な経済ニュース(ブレグジット(Brexit)、米国大統領選挙)
など、確実に大きな為替変動が見込めるタイミングで、一番離れている「HIGH」「LOW」ポジションを持てば、どちらかが当たる可能性が出てくるのです。
となります。
このバイナリーオプションの「両建て」手法の注意点
現在の為替レートと一番離れている判定レートの予想が当たるのは、すごく稀です。当然、指標発表後などの相場の急変動のタイミングを狙うのですが、そのタイミングも、年に数回あるかないかですから、トレード機会は少なく、メインのバイナリーオプション攻略法にはならないのです。
あくまでも、サブ的な要素の大きいバイナリーオプション攻略法と認識しておく必要があります。
その2.国内バイナリーオプション業者で、レンジ相場で大きなペイアウトを狙う!
国内バイナリーオプション業者の場合は
という可能性もあります。
例:FXTFバイナリー・トレード(バイトレ)/ゴールデンウェイ・ジャパン
ペイアウト額:10,000円
- 現在レート:111.334
現在レートで予想が当たる一番近い「HIGH」
- 購入額:7,420円
- ペイアウト額:10,000円(ペイアウト倍率:1.34倍)
- 判定レート:111.288
現在レートで予想が当たる一番近い「LOW」
- 購入額:6,130円
- ペイアウト額:10,000円(ペイアウト倍率:1.63倍)
- 判定レート:111.358
となっています。
この場合
現在レート:111.334をキープして
- 判定レート:111.288 ~ 111.358
の間に収まれば、両方の予想が当たることになります。
両方予想が当たれば
- 購入額:13,550円
- ペイアウト額:20,000円(ペイアウト倍率:1.47倍)
と、1回のトレードで2勝分の利益が得られるのです。
また、両方が外れるということはなく
判定レート:111.288以下になった場合
- 購入額:13,550円
- ペイアウト額:10,000円(ペイアウト倍率:1.63倍)
損失:-3,550円
判定レート:111.358以上になった場合
- 購入額:13,550円
- ペイアウト額:10,000円(ペイアウト倍率:1.63倍)
損失:-3,550円
と損失額を抑えられるメリットがあります。
レンジ相場で、両建てで現在レートで予想が当たる一番近い「HIGH」と「LOW」を予想すれば、レートが動かない場合に、1回のトレードで2勝することができるのです。
また、予想が外れても、どちらかの予想は当たるため、損失を軽減できるメリットがあります。
このバイナリーオプションの「両建て」手法の注意点
前述した大勝を狙うトレードと比較して、近いレートで購入するため、購入額が高額になりやすく、予想が外れたときの損失が大きいことに注意が必要です。
また、このトレード手法は、損失も限定される反面、ペイアウト倍率も低いため、大勝ちできるバイナリーオプション攻略法とは言えないのです。
その3.海外バイナリーオプション業者で中長期トレンドと短期トレンドを分けて行う!
多くの投資家の方が、海外バイナリーオプション業者は「短期取引(30秒、1分)」でトレードする方が多いと思います。
しかしながら、実際問題では
テクニカル分析によって、勝率を安定的に高めるためには
30秒、1分、2分、3分、5分・・・という「短期取引」では、検証時間が短すぎて予想の勝率が安定しないのです。
テクニカル分析を生かしたバイナリーオプションの攻略法を最大限生かすためには
最低でも、1時間後の予想をした方が良い
ということになります。
しかし、
という方もいるので、「両建て」を使って併用することをおすすめします。
- 1時間~6時間後の判定レートを目安に行う「中期トレード」
- 5分~15分後の判定レートを目安に行う「短期トレード」
を平行に動かすのです。
当然、別の時間足のチャートを参照することになり、別のシナリオを組み立てるので
- 「中期トレード」:「HIGH」エントリー
- 「短期トレード」:「LOW」エントリー
という「両建て」の状態になることもあるのです。
これは、30秒、1分、2分、3分、5分という短いバイナリーオプショントレードばかりやっている方におすすめです。
中期のトレードの方が勝率が高い
ということを体感するためにも、時間軸をずらして、「短期トレード」「中期トレード」を併用することをおすすめします。
このバイナリーオプションの「両建て」手法の注意点
このバイナリーオプション攻略法は、「両建て」手法というよりは、「時間軸を変えてトレードをしてみましょう。」というアドバイスに近いものがあり、その中で、たまたま「両建て」の状態になるということに過ぎないので、「両建て」手法として位置付けるものではないのです。
その4.シナリオを間違えてエントリーをしてしまった場合に、逆のポジションを持つ
「バイナリーオプションでエントリーした後にシナリオが崩れてしまった。」
というケースで「損切」する方法としては
「転売」がありますが、場合によっては
ケースがあります。
例えば、ハイローオーストラリア/HighLowの場合
ポジションをすぐに転売した場合に「転売時」のペイアウト倍率は、0.8492倍となっています。
エントリーしているトレードの種類によっても異なりますが、一番一般的な「HIGH/LOW」を利用していた場合
ペイアウト倍率:1.90倍
です。
つまり、
- 「転売」 → 0.8492倍
- 「両建」 → 0.9000倍(1.9倍のペイアウトだが、1.0倍の購入資金を使うため)
となります。
損失を軽減するという形でも、「両建て」が機能するケースがあります。
このバイナリーオプションの「両建て」手法の注意点
一つの問題点は、「転売」スプレッドが狭くて、「ペイアウト倍率」が高い海外バイナリーオプション業者の場合は、素直に「転売」で損切りした方が損失が抑えられるケースがあります。
まt、反対ポジションを持つまでに大きくチャートが動いてしまったら、「反対ポジションも含めて、両方負けてしまう」というケースも起こりうるのです。この場合、損失が拡大するだけになってしまうため、エントリーからある程度時間が過ぎて、為替レートが動いてしまったら、なかなか活用しにくい損切手法となってしまいます。
「両建て」はバイナリーオプションでおすすめの方法ではない!
バイナリーオプショントレードでは、とくに海外バイナリーオプションの場合は
一見、国内バイナリーオプション業者の相場の急変動を狙った「両建て」であれば、良いトレード手法かと思ってしまうかもしれませんが、これも「急変動したら当たる」と言った「運」の要素が強く、
テクニカル分析によって、安定してバイナリーオプションの勝率を上げることには寄与してくれないのです。
バイナリーオプションで安定した収益を得るためには
- チャートを分析して、シナリオを建てた上で、エントリーする
- トレード結果をノートに記録して分析する
- 分析から、トレード手法をカスタマイズする
- シナリオを建てる
ということを繰り返して
- バイナリーオプションの勝率を引き上げる
のが一番の近道です。
FXトレードのように
- 中長期のトレードをするものではない
- スワップポイント(利息)が発生するものではない
ため、普通にバイナリーオプションのトレードをする方が良いのです。
まとめ
バイナリーオプションによる「両建て」とは
- 「HIGH」と「LOW」のポジションを同時に持つこと
を言います。
バイナリーオプションによる「両建て」手法には
- その1.国内バイナリーオプション業者で、急激な相場変動時に大きなペイアウトを狙う!
- その2.国内バイナリーオプション業者で、レンジ相場で大きなペイアウトを狙う!
- その3.海外バイナリーオプション業者で中長期トレンドと短期トレンドを分けて行う!
- その4.シナリオを間違えてエントリーをしてしまった場合に、逆のポジションを持つ
というような手法がありますが
バイナリーオプションで稼ぐための「テクニカル分析を駆使して、安定した勝率を上げる」ということには、つながらないため、おすすめできるものではありません。
バイナリーオプションの「両建て」は、いくつか稼ぐための方法はありますが、普通にテクニカル分析を駆使して、トレードすることの方が重要と考えましょう。
「バイナリーオプションで両建てで稼ぐ方法ってあるの?」
「両建て取引をするなら、国内バイナリーオプション業者と海外バイナリーオプション業者のどちらを選ぶべきなの?」