バイナリーオプションの危険性について、誤った情報、正しい情報が飛び交っているのが現状です。「バイナリーオプション = 危険」という情報がインターネットやSNSには多く存在しています。その情報には「間違っている点」「正しい点」両方が存在します。今回はその部分を明らかにしながら、初心者が考えるべき「バイナリーオプション危険回避のコツ」を解説します。
バイナリーオプションが危険とされる理由と実態
国民生活センター・消費生活センターに海外バイナリーオプション業者のトラブル相談が急増した!
消費者庁のウェブサイトには
第1部 第1章 第2節(3)金融商品や投資等の利殖に関連するトラブル
為替相場の動きを二者択一で予想する「バイナリーオプション」取引トラブルが急増
「インターネット上の広告を見て興味を持ち、海外事業者とバイナリーオプション取引を開始したが、出金を求めても応じてもらえない」といった相談が2014年度に入り、数多く寄せられました。月別に見ると2014年6月は59件、7月は228件、8月は343件と急増しています
とあります。
年度 | 月 | 件数 |
---|---|---|
2013年度 | 10月 | 3件 |
11月 | 0件 | |
12月 | 1件 | |
1月 | 5件 | |
2月 | 2件 | |
3月 | 1件 | |
2014年度 | 4月 | 8件 |
5月 | 15件 | |
6月 | 59件 | |
7月 | 228件 | |
8月 | 343件 | |
9月 | 223件 | |
10月 | 128件 | |
11月 | 93件 | |
12月 | 84件 | |
1月 | 60件 | |
2月 | 50件 | |
3月 | 48件 |
確かに2014年になって明らか相談件数が増加しています。
これに焦って、消費者庁や国民生活センターが「海外バイナリーオプション業者に注意!」というリリースを出しているのですが・・・
- 2012年年末:バイナリーオプション業者によるワーキンググループの設置
- 2013年:ワーキンググループによる自主規制に関する最終報告
- 2013年7月3日:内閣府令によって公的規制が導入
- 2013年7月18日:金融先物取引業協会より、ガイドラインが発表
- 2013年8月1日:内閣府令によって公的規制が施行
- 2013年8月1日:現行ルールでのバイナリーオプションへの新規参入不可
- 2013年11月30日:現行ルールでのバイナリーオプションが停止
現状の国内バイナリーオプションのルールは、FXと同じような仕組み(為替の変動幅によってリターンが変動する)になっていて、バイナリーオプションである意味がないのです。
規制をきっかけに、国内バイナリーオプション業者を利用していた投資家が海外バイナリーオプション業者に流れたため
- 海外バイナリーオプション業者に慣れていない投資家が勘違いした相談をする
- 規制をきっかけに、日本人顧客を狙った悪質な海外バイナリーオプション業者が新設された
ことが発生したので、急激に相談件数が増加したのです。
この時期に作られたウェブサイトや2ちゃんねるなどの情報が今も残っているため、「バイナリーオプション=危険」というイメージが今も根付いてしまっているのです。
インターネットが発達した時代で「出金拒否」「悪質な対応」をする新設された海外バイナリーオプション業者は、長生きできるはずもなく、どんどん倒産し、1年経過した後は、トラブル件数も、2015年3月で48件まで、沈静化しているのです。
2017年度の相談件数上位20件
順位 | 増加件数の多い商品・役務等 | 件数 | 減少件数の多い商品・役務等 | 件数 |
---|---|---|---|---|
1 | 商品一般 | 145,597 | アダルト情報サイト | 25,304 |
2 | デジタルコンテンツその他 | 107,460 | インターネット接続回線 | 33,492 |
3 | 化粧品 | 15,957 | 興信所 | 1,679 |
4 | 放送サービス | 15,382 | 社会保険 | 4,181 |
5 | 紳士・婦人洋服 | 11,410 | 海外パックツアー | 1,344 |
6 | 電気 | 5,731 | 相談その他 | 13,443 |
7 | ファンド型投資商品 | 6,798 | 他の役務サービス | 11,462 |
8 | エステティックサービス | 8,652 | 他の行政サービス | 3,609 |
9 | その他金融関連サービス | 7,345 | フリーローン・サラ金 | 25,575 |
10 | 土地 | 4,518 | 移動通信サービス | 23,846 |
11 | 貸衣装 | 1,304 | 四輪自動車 | 13,109 |
12 | 健康食品 | 30,181 | 生命保険 | 6,433 |
13 | タバコ用品 | 1,518 | こんろ類 | 108 |
14 | 都市ガス | 892 | 医療サービス | 5,717 |
15 | 複合サービス会員 | 3,946 | 賃貸アパート・マンション | 31,828 |
16 | 和服 | 2,607 | 出会い系サイト | 8,640 |
17 | 弁護士 | 2,060 | 修理サービス | 12,112 |
18 | 書籍 | 2,050 | 解約代行サービス | 122 |
19 | コンサート | 1,777 | 浄水器 | 1,491 |
20 | インターネット通信関連サービス | 6,417 | パソコンソフト | 2,021 |
出典:「全国消費生活情報ネットワークシステム(PIO-NET)」によって収集した2017年度の消費生活相談情報(2018年5月にPIO-NET に登録された苦情相談)
バイナリーオプションの危険性の現状
基本的に悪質な海外バイナリーオプション業者は淘汰されてきているのです。完全にいないわけではありませんので注意が必要なのは間違えありませんが、以前ほどの危険性がないのも、事実としてとらえる必要があります。
バイナリーオプションが危険とされる理由と対策
危険とされる理由その1.詐欺に利用された
バイナリーオプションの危険性の中でも、多くの方にそのイメージが浸透されたのは、上記のようなトラブル相談だけでなく、詐欺に利用する詐欺師が増えたからです。
バイナリーオプション詐欺の代表格と言えるのが「オプザイル」です。
wikipediaによると
オプザイルの定義は「ツイッターやフェイスブックで高級ホテルや飲食店での豪遊ぶりを見せつけ、興味を持った人へバイナリーオプションのシグナルツールを30~50万円ほどで売りつける集団」である
勧誘の方法としては、まずツイッターやフェイスブックなどのSNSで、無作為に抽出した対象者をフォローし、その対象者に対して、毎月バイナリーオプションで数十万円から数百万円程度を稼いでいるふりをし、高級ホテルや飲食店での豪遊ぶりを見せつけながら、「人生を変えるには一歩踏み出そう」などと金融商品への投資を呼びかける。
対象者が興味を持った段階で、対象者にバイナリーオプションのシグナルツールを30~50万円ほどで売りつけるというのがオプザイルの勧誘手法と投資詐欺の流れである
とされています。
と売りつける詐欺が流行ったのです。
「詐欺だ!」
と騙された方が思うのは当然のことです。
危険対策
「絶対○○万円儲かる!」「放置するだけ」というのは、すべてウソだと思うべき!
ですから、「何千万円も儲かる」「リスクがなく、放置するだけ」というのは、はじめから「嘘」と決めつけて、相手にしなければ良いのです。
基本的に「バイナリーオプション」というのは、「HIGH」「LOW」の2者択一のトレードですので、運でやっている以上は、大数の法則で、勝率は50%に収れんしていきます。バイナリーオプション業者の取り分があるのですから、「運」でトレードしたら、絶対に勝てないトレード手法なのです。
「バイナリーオプション」で稼ごうとするのであれば、テクニカル分析手法を身に着けて「こういうチャートになったら、こういう動きをするから、ここでエントリーする」という法則の元にトレードをする必要があります。
当サイトでは、いろいろなバイナリーオプション攻略必勝法を紹介していますが、それを利用するだけでは不十分で、自分なりにトレードノートを付けながら、カスタマイズして、自己流のトレード手法を確立させていく必要があります。
危険とされる理由その2.出金拒否に遭った
筆者は、出金拒否に遭ったことがないので、消費者庁のウェブサイトから抜粋すると・・・
投資関係のブログで、バイナリーオプションの書き込みを見た。短期間で利益が出るようだったので、業者のサイトに自分の口座を作り、クレジット決済で8万円を入金した。その後5~6回取引をし、プレゼントで付いたポイントと合わせると口座残高が約10万円となった。しかし、その業者が無登録事業者であるという情報をネットで見つけ不信感を抱き、最初に入金した8万円の引き出しを業者に申し込んだが、お金が戻ってこないまま、連絡が取れなくなった。
(大学生男性)
国民生活センター「子どもサポート情報」第82号(2014年12月17日公表)
とあります。
この情報自体が、前述した「悪質な海外バイナリーオプション業者」が増えた時期のものですので、基本的には、このような出金拒否をする業者は、情報がインターネットですぐに出回ってしまうので、淘汰されてしまったと考えて問題ないと思います。
危険対策
基本的には金融ライセンスを保有したバイナリーオプション業者であれば、出金拒否などは起こらない!
金融庁や消費者庁などの国の機関では
と盛んに宣伝していますが・・・
「金融商品取引業の無登録業者の海外バイナリーオプション業者」には2種類があります。
- どの国の金融ライセンスも保有していない海外バイナリーオプション業者
- 日本の金融ライセンス(金融商品取引業の免許)は保有していないが、他の国の金融ライセンスは保有している海外バイナリーオプション業者
の2種類です。
金融庁や消費者庁は、多くの投資家が海外企業のサービスを利用するようになれば、税収にもマイナスになる影響があり、脱税のチェックもしにくくなるため
とアピールするのですが
海外バイナリーオプション業者の中でも
ハイローオーストラリア/HighLowは、過去に出金拒否などがない信頼性の高い資産管理体制を築き、過去には金融ライセンスを取得して営業していた海外バイナリーオプション業者です。現在は、セントビンセント及びグレナディーン諸島のLLCで運営しています。
ハイローオーストラリア/HighLow
国内バイナリーオプション業者は、規制によって、儲けにくいFXと同じような仕組みになってしまっていますが、安全性を考えるのであれば、国内バイナリーオプション業者という選択肢も、間違えではありません。
危険とされる理由その3.射幸性が高く、すぐにトレードができるので、お金を失いやすい
これはバイナリーオプションの事実です。
海外バイナリーオプション業者の場合は
- 30秒後
- 60秒後
に、結果がでるので「スピードくじ」感覚でトレードすることもできるのがバイナリーオプションです。
これはバイナリーオプションの危険な側面と言って良いでしょう。
危険対策
「テクニカル分析」を使って、比較的長い「判定時刻」で勝負すべき
まず、海外バイナリーオプション業者を利用する場合でも、判定時刻が
- 30秒後
- 60秒後
でトレードすること自体、おすすめしません。
なぜならば、前述した通りで
だからです。
バイナリーオプションで稼ぐためには、為替相場がどう動くかを予想する「テクニカル分析」を基に、勝率を55%、60%、65%と上げなければならないのです。
これは、バイナリーオプションで稼ぐための必須条件です。
バイナリーオプションで儲けている人は「スピードくじ」のように、どんどんエントリーするのではなく、チャートを見ながらじっくりとチャンスをうかがって、確実にこちらに動くと予想できるタイミングで、狙いすましてエントリーするものです。「スナイパー」のような感覚でトレードをしなければならないのです。
予算(投資回数)を決めて、トレードする
バイナリーオプションに限らず、どの投資やギャンブルでも、熱くなったら、負けです。
FXやバイナリーオプションは、ある種、機械的にトレードをしている人が儲けている投資です。
月に使って良い予算を決めてしまえば、必然的に1日のトレード回数が決まってきます。
月の投資予算が10万円であれば
- 1回の取引額:1,000円
- 月の取引可能回数:100回
- 1週間(5営業日)の取引可能回数:25回
- 1日の取引可能回数:5回
と簡単に逆算することができます。
と決めることで、のめり込んで大損してしまうことを回避することができます。
まとめ
バイナリーオプションが危険とされる理由には
- 危険とされる理由その1.詐欺に利用された
- 危険とされる理由その2.出金拒否に遭った
- 危険とされる理由その3.射幸性が高く、すぐにトレードができるので、お金を失いやすい
というものがありますが、どれも投資家側が気を付けていれば回避できるものです。
「バイナリーオプションって危険な業者が多いって聞くけど・・・実際はどうなの?」
・・・