外国為替(米ドル、ユーロなど)を利用した投資方法の代表的なものは、外貨預金、FX、バイナリーオプションの三択になります。投資というよりは資産運用で低利息で回す外貨預金を外すとすれば、FXとバイナリーオプションが大きな候補となるのです。どちらも、国内業者と海外業者という選択肢があり、どちらを選ぶのか?で大きく取引の仕方や収益性が変わってきます。今回は、外国為替(米ドル、ユーロなど)を利用した投資方法である国内バイナリーオプション・海外バイナリーオプション・国内FX・海外FXの取引方法の違い、メリットデメリット、おすすめの投資家をわかりやすく比較します。
国内バイナリーオプション・海外バイナリーオプション・国内FX・海外FXの定義
国内バイナリーオプションとは
を言います。
基本的には、証券会社、FX会社が、FXサービス・株式投資サービスの一つの選択肢として、バイナリーオプションを提供しているケースが多いです。
大企業がほとんどで、バイナリーオプション規制後は、サービス提供している国内バイナリーオプション業者は、10社前後となっています。
外資系企業であっても、日本法人を作って、日本の金融庁の許可(金融ライセンス)を得て運営しているバイナリーオプション業者は、国内バイナリーオプション業者に分類されます。
海外バイナリーオプションとは
を言います。
海外バイナリーオプション業者の顧客は、世界中の投資家です。(一部、日本人のみをターゲットとしている海外バイナリーオプション業者もあります。)
世界的に、先進国では投機性の高い(勝ち負けが大きい)バイナリーオプションは規制強化の動きになっており、海外バイナリーオプション業者は、規制に関係のない国、香港、セントビンセント・グレナディーン諸島、マーシャル諸島などに本社を設立し、世界中の国の投資家にサービス提供しています。
国内FXとは
を言います。
国内FX業者には、証券会社やFXのみを扱うFX専業の会社があります。基本的に大企業、大企業グループが多く、信頼性は高い傾向があります。
海外FXとは
を言います。
海外FX業者の顧客は、世界中の投資家です。(一部、日本人のみをターゲットとしている海外FX業者もあります。)
国内バイナリーオプション・海外バイナリーオプション・国内FX・海外FXの取引方法とメリットデメリット比較
国内バイナリーオプション
取引方法
現在価格に対して、複数の判定レートが提示されます。
判定レートを選んだら、判定時刻に、その判定レートよりも「上がるか?(HIGH)」「下がるか?(LOW)」を選んで、予想が当たったら、払い戻し(ペイアウト)が受け取れる取引方法となっています。予想が外れれば、没収(0円)となります。
ペイアウト倍率は、選んだ判定レートごとに違うものが適用されます。
- 現在価格から離れた判定レートの場合は、ペイアウト倍率は高くなる
- 現在価格から近い判定レートの場合は、ペイアウト倍率が低くなる
特徴
- 2時間~3時間置きに判定時刻が設定される
- ペイアウト倍率は、選ぶ判定レートによって変動する
- 途中で売却する「転売」が可能
メリット
- 大企業が運営している信頼性
- 出金トラブルなどがない
- バイナリーオプション業者の倒産時に資産が保全されている
- 現在価格から離れた判定レートを選べば高いペイアウト倍率が期待できる(例:10倍、20倍)
デメリット
- 現在価格から離れた判定レートを選べば、予想が当たる可能性が低くなる
- 現在価格から近い判定レートを選べばペイアウト倍率は低くなる(例:1.1倍、1.2倍)
- 1日10回程度しかトレードチャンスがない(判定時刻が2時間置きのため)
- 取引できる通貨ペアが少ない
- CFD商品(金、プラチナ、原油、株、株価指数、仮想通貨、先物商品など)がトレードできない
海外バイナリーオプション
取引方法
エントリー時の価格が、○分後の判定時刻に、「上がるか?(HIGH)」「下がるか?(LOW)」を選びます。
- 予想が当たれば、約2倍の払い戻し(ペイアウト)
- 予想が外れれば、没収(0円)
というシンプルなトレード方法となっています。
エントリー時の現在価格が基準となり、近い判定時刻(30秒後、60秒後、2分後、3分後、5分後・・・)で「上がるか?(HIGH)」「下がるか?(LOW)」を判断するだけのシンプルなトレードとなっています。
特徴
- エントリー時の現在価格を基準に「上がるか?(HIGH)」「下がるか?(LOW)」の2択
- ペイアウト倍率は、約2倍(1.8倍~1.9倍が相場)
- 判定時刻は、エントリーから○分後という設定
メリット
- 現在価格を基準に「上がるか?(HIGH)」「下がるか?(LOW)」のシンプルな2択で予想が当たりやすい
- ペイアウト倍率が固定されているため、勝率が上がれば収益が出る仕組み
- 判定時刻までの時間が短いため、予想が当たりやすい
- 判定時刻はエントリー時の現在価格から決まるため、トレード機会は1日何千回、何万回と多い
- ボーナスという特典がある海外バイナリーオプション業者が多い
デメリット
- 外国の業者のため、信頼性が乏しい
- 海外バイナリーオプション業者によっては出金トラブルなどが発生するリスクがある
- バイナリーオプション業者の倒産時に資産が保全されていない
国内FX
取引方法
通貨ペアを選択し、保有するポジション数(取引量)を決めて、「買い(Bid)」「売り(Ask)」でエントリー(購入)します。
保有したポジションは自由なタイミングでエグジット(売却)することができ、その価格差が利益・損失となります。
FXは、差金決済取引であり、証拠金に対して、○倍の投資資金でトレードができます。国内FXの場合は、個人投資家は最大25倍の投資資金でトレードをすることができます。
特徴
- レバレッジ最大25倍
- トレードプラットフォームは、国内FX業者ごとに違う
- 相対取引が基本(投資家の注文を呑む取引)
- 口座残高以上の損失が発生すると「追証(おいしょう)」が発生し、投資家の借金になる
メリット
- 日本の金融ライセンスを保有する大企業が運営している信頼性
- 出金トラブルなどがない
- 国内FX業者の倒産時に資産が保全されている
- スプレッドが狭い
- 固定スプレッドを採用
デメリット
- レバレッジが最大25倍と低い
- 口座残高以上の損失が発生すると「追証(おいしょう)」が発生し、投資家の借金になる
- 相対取引(呑み取引)のため、投資家の損失が国内FX業者の利益となる利益相反関係になる
- 取引できる通貨ペアが少ない
- トレードプラットフォームは、各社バラバラのため、透明性が低い
海外FX
取引方法
通貨ペアを選択し、保有するポジション数(取引量)を決めて、「買い(Bid)」「売り(Ask)」でエントリー(購入)します。
保有したポジションは自由なタイミングでエグジット(売却)することができ、その価格差が利益・損失となります。
FXは、差金決済取引であり、証拠金に対して、○倍の投資資金でトレードができます。国内FXの場合は、個人投資家は最大400~3,000倍の投資資金でトレードをすることができます。
特徴
- レバレッジ最大400~3,000倍
- トレードプラットフォームは、MT4/MT5(メタトレーダー)が基本
- NDD取引が基本(投資家の注文をそのままインターバンク市場に流す取引)
- 口座残高以上の損失が発生すると「追証(おいしょう)」が発生しますが、海外FX業者が補填してくれる
メリット
- レバレッジが最大400~3,000倍と高い(少額資金でも大きく稼げる可能性がある)
- 口座残高以上の損失が発生すると「追証(おいしょう)」が発生しますが、海外FX業者が補填してくれるため、投資資金以上の損失は発生しない
- NDD取引のため、投資家の取引増加が国内FX業者の利益となるペートナー関係になる
- 取引できる通貨ペアが多い
- トレードプラットフォームは、各社MT4/MT5(メタトレーダー)を採用しているため、透明性が高い
デメリット
- 日本の金融ライセンスを保有していないため、信頼性は低い
- 海外FX業者によっては、出金トラブルが発生する可能性がある
- 一部の業者を除き、海外FX業者の倒産時に資産が保全されている
- スプレッドが広い
- 変動スプレッドを採用
国内バイナリーオプション・海外バイナリーオプション・国内FX・海外FXのどの取引方法が向いているか?
国内バイナリーオプション・海外バイナリーオプション・国内FX・海外FXの特徴比較
項目 | 国内バイナリーオプション | 海外バイナリーオプション | 国内FX | 海外FX |
---|---|---|---|---|
判定タイミング | 1日最大12回まで | 平日 | 平日24時間 | 平日24時間 |
判定時刻までの時間 | 最短2時間 | 最短30秒 | いつでも | いつでも |
ペイアウト倍率 | 1枚1,000円に固定 1~20倍 |
160%~240% | なし | なし |
レバレッジ | なし | なし | あり。 個人投資家:最大25倍 |
あり。 海外:200倍~3000倍 (相場:400倍~500倍) |
儲ける方法 | エントリー時に提示された判定レートを基準として、判定時刻に上がるか?下がるか?を予想して購入 | エントリー時の現在価格から、○分後の判定時刻に上がるか?下がるか?を予想して購入 | 為替レートがどちらに動くかを予想してエントリー(購入) 変動幅の大きい対ミイングでエグジット(売却) |
為替レートがどちらに動くかを予想してエントリー(購入) 変動幅の大きい対ミイングでエグジット(売却) |
儲けの決まり方 | 判定時刻に予想が当たれば → 1,000円の払い戻し | 判定時刻に予想が当たれば → 160%~240%の払い戻し | エントリー額 × エグジット時点の変動幅 | エントリー額 × エグジット時点の変動幅 |
損失の決まり方 | 購入額の没収 | 購入額の没収 | エントリー額 × エグジット時点の予想と逆方向の変動幅 | エントリー額 × エグジット時点の予想と逆方向の変動幅 |
払い戻しの予想の変動幅の影響 | あり | なし | あり | あり |
通貨ペア | 5通貨ペア | 20通貨ペア | 20通貨ペア | 60~80通貨ペア |
最低購入額 | 1枚50円~999円 | 1,000円 | 1,000通貨 | 10通貨 |
儲けやすい相場 | トレンド相場 | トレンド相場、レンジ相場 | トレンド相場 | トレンド相場 |
取引回数の制限 | 1日最大12回まで | なし | なし | なし |
スプレッド | 転売時のスプレッドは広め | 転売時のスプレッドは普通 (転売できない業者もある) |
固定スプレッド 狭い |
固定スプレッド 広い |
提供企業の規模 | 日本の大企業 | 海外の中小企業 | 日本の大企業 | 海外の大企業、中堅企業 |
金融ライセンスの傾向 | あり | なし | あり | グループ会社が保有。日本人向けの会社はなし |
国内バイナリーオプション業者がおすすめの方
いません。
基本的に、国内バイナリーオプションは中途半端な立ち位置であり、
- 資産保全を大事にして、安心できる企業でトレードしたい方は国内FXがおすすめ
- 現在価格から上がるか?下がるか?というシンプルなバイナリーオプションをpしたい方は海外バイナリーオプション業者がおすすめ
となるからです。
国内バイナリーオプションは、バイナリーオプション規制によって、取引方法がラダーオプションと呼ばれる、予想した幅と収益が連動する仕組みに変わりました。予想した幅と収益が連動するのは、FXトレードと同じですので、あえて、国内バイナリーオプション業者を選ぶ必要性がないのです。
現在価格からのシンプルな2択の取引(バイナリーオプション)を希望する場合は、バイナリーオプション規制の対象外である、海外バイナリーオプション業者を選ぶべきなのです。
海外バイナリーオプション業者がおすすめの方
海外バイナリーオプション業者は、バイナリーオプション規制が対象外のため
エントリー時の価格が、○分後の判定時刻に、「上がるか?(HIGH)」「下がるか?(LOW)」を選びます。
- 予想が当たれば、約2倍の払い戻し(ペイアウト)
- 予想が外れれば、没収(0円)
というシンプルなバイナリーオプションを楽しむことができます。
国内FX業者がおすすめの方
- 高額な投資資金をトレードに使いたい
- 信頼性の高い業者を利用してトレードをしたい
- スプレッドの狭いトレードが希望
という投資家は、国内FX業者がおすすめです。
大企業がサービス提供していて、信託保全を採用しているため、国内FX業者が倒産しても、投資資金は投資家に返金されます。
また、スプレッドも、原則固定スプレッドで、海外FX業者と比較すると狭いスプレッドが採用されているため、安定したトレードが可能になります。
海外FX業者がおすすめの方
- 高いレバレッジでトレードをしたい(一獲千金を狙う)
- 自己資金が少ない
- 投資資金以上の損失を被りたくない
- ボーナスを活用して、自己資金を増やしてトレードしたい
- マイナーな通貨ペアやCFD商品でトレードしたい
という投資家は、海外FX業者がおすすめです。
海外FX業者の最大のメリットは
点です。
自己資金が1万円でも、レバレッジ1,000倍の海外FX業者であれば、1,000万円分のトレードが可能になります。国内FX業者の場合は、25万円分のトレードしかできないのです。
自己資金が少なくても、大勝ちが期待できるのが海外FX業者なのです。
しかも、追証がないため、損失は投資資金に限られます。投資資金以上の損失を被ることがないため、リスクを限定しながら、大勝を狙えるのが海外FXの魅力です。
まとめ
- 国内バイナリーオプション → おすすめしない
- 国内FX → 安心した着実なトレードを行いたい方におすすめ
- 海外バイナリーオプション → シンプルな2択というバイナリーオプショントレードをしたい方におすすめ
- 海外FX → 高いレバレッジで少額資金でも一獲千金を狙いたい方におすすめ
というのが筆者の見解です。
「国内バイナリーオプションと海外バイナリーオプションとの違いを教えてください。」
「国内FXと海外FXとの違いを教えてください。」